2019年12月21日に行われた「ジャンプフェスタ2020」の遊戯王最新情報JF2020ステージで新しくカードゲームを始める人向けに新ルールを採用した「ラッシュデュエル」が発表されました。
「ラッシュデュエル」は遊戯王OCGをベースとしたカードゲームであるものの「毎ターン5枚ドロー」「召喚権無限」と遊戯王OCGでは考えられないルールが追加されています。
この発表には世間を騒がせました。
ドローに厳しい遊戯王で5枚もドローしていいの?
モンスターの通常召喚に制限がないなんてあり得ない
こんなルール絶対失敗する
ラッシュデュエルの発表にこんな風に思った方も多いと思います。
そこで今回はみんなが感じる疑問に触れつつ「ラッシュデュエルは失敗なのか?」について言及していこうと思います。
2020年4月4日にラッシュデュエルが発売され、私も実際に遊んでみました。
そのため私の経験を交えつつ掘り下げていこうと思います。
目次
ラッシュデュエルとは
そもそもラッシュデュエルとは何なのかという方もいると思うので、改めてラッシュデュエルについてお話ししておきます。
ラッシュデュエルは遊戯王OCGとは別のカードゲームという扱いで、遊戯王初心者や低年齢層(メインターゲットは小学5〜6年生)に向けたカードゲームになっています。
カードプールをリセットしルールを簡略化したことで、効果の処理方法においても難しさがなくなりました。
「連続召喚」は「召喚権が無限にある」ということで、「大量ドロー」は「ドローフェイズに手札が5枚になるようにドローする」ということです。
このOCGではあり得ないルールに発表後はOCGプレイヤーをざわつかせました。
そして「ようこそ、逆転のデュエルへ」という触れ込み通り、毎ターン全力で戦い逆転を行いやすいように設計されています。
発表当時はネガティブな意見が多かった
ラッシュデュエルの発表当時は「絶対失敗するだろ」「こんなルールで大丈夫なの?」というようなネガティブな意見も多くありました。
その一番の理由がラッシュデュエルの特徴の一つである「大量ドロー」というルールです。
OCGではドローソースとなるカードの規制が厳しくなっています。
代表的な例が《強欲な壺》と《天使の施し》で、これらはラッシュデュエル発表の時点ですでに10年以上も継続して禁止カードに指定されており、デッキに入れることができなくなっています。
それを考えるとネガティブな意見を言うのもわかりますよね。
ラッシュデュエルは失敗なのか
ネガティブな意見が多いラッシュデュエルですが、実際にどうなのでしょうか?
結論から言うと失敗ではないと思います。
その理由が「ルールの簡略化」と「逆転しやすい要素」です。
ルールの簡略化
ラッシュデュエルはOCGにあった以下のルール(システム)が廃止されています。
- スタンバイフェイズ
- メインフェイズ2
- バトルフェイズのステップ
- チェーン
まず単純にルールが廃止されることで行わなければいけない処理が少なくなり、覚えることも減りますよね。
そのためOCGに比べて遊びやすくなっています。
OCG経験者の中には「ルールが複雑でわからない」と言う理由から挫折してしまったという人もいますが、こういった問題が起きにくくなっているんですよね。
特にバトルフェイズのステップは現役プレイヤーの中でもややこしいと言われることが多く、以下の4つのステップに分かれているにも関わらず、ダメージステップはさらに5つのタイミングに分かれています。
- スタートステップ
- バトルステップ
- ダメージステップ
- エンドステップ
- ダメージステップ開始時
- ダメージ計算前
- ダメージ計算時
- ダメージ計算後
- ダメージステップ終了時
慣れていればなんてことないことかもしれませんが、初心者からすれば分かりにくい要素ではありますよね。
チェーン
チェーンの廃止も、スタンバイフェイズ・メインフェイズ2・バトルフェイズのステップの廃止と同じようにルールの簡略化につながっています。
OCGはカードの発動に対して別のカードを連鎖的に発動されることができます。
また同一タイミングで発動するカードも、発動条件を満たしていれば全て発動することができますよね。
ラッシュデュエルでは上記の行為(チェーン)を行えなくなっています。
チェーンを活かした複雑な駆け引きは行えなくなりましたが、これによりシンプルで分かりやすくなっています。
そしてチェーン廃止に伴いスペルスピードの概念も失われたため、「カウンター罠カードに対して、通常罠カードを発動できない」というようなカードの種類をさらに細分化したルールもなくなっています。
ラッシュデュエルは、このようなルールの簡略化により遊びやすさが格段に上がっているのです。
逆転しやすい要素
「連続召喚」と「大量ドロー」ですが、ラッシュデュエルではこのルールのおかげで逆転しやすくなる要素が強くなっています。
例えばOCGの場合、手札を全て使い切りデュエルを進め、相手ターンに自分フィールドのカードが全て除去されてしまった場合、何かしらの効果でケアしなければ次のターンは手札1枚で相手に対応しなければいけません。
これは極端な例ですが、ラッシュデュエルでは5枚までドローできることから、上記のような事態が起きにくくなっています。
でも「連続召喚」と「大量ドロー」ってOCG的には大問題なんじゃないの?
COG的にはもちろん大問題です。
しかしラッシュデュエルは1枚から何枚ものカードに繋げることは基本的にできず、全てのカードは1ターンに1度しか効果を発動できません。
そしてOCGに比べてカードパワーも全体的に抑えられていることから、「連続召喚」と「大量ドロー」による悪影響が起きにくくなっているのです。
また「連続召喚」の性質からカードの効果に頼らずに序盤から最上級モンスターを展開できるようになっており、カードパワーを抑えつつもスピーディーなデュエル展開ができるようになっています。
これらの要素から逆転しやすくなっています。
以上の理由から「初心者でも遊びやすく、不利な状況からも逆転しやすいカードゲーム」になっており、失敗というよりは、よく考え込まれた面白いカードゲームになっています。
ちょっと楽しそうと思えてきましたか?
実際に遊んでみて私はラッシュデュエルにかなり魅力を感じているので、その魅力についてもお話しします。
OCGプレイヤーに伝えたいラッシュデュエルの魅力
OCGにはない戦略性がある
スタンバイフェイズ・メインフェイズ2の廃止はOCGにはない戦略性につながっています。
例えば手札に使わない通常魔法カードがある場合、この魔法カードはどうしますか?
使わないんだし破壊されても困るから、私なら手札に残しておくかな…
破壊された時の効果やブラフでセットしない限り、大抵の人は「手札に残す」という選択をすると思います。
しかしラッシュデュエルではこの行為が次の自分にターンに大きく影響を与えます。
それがドローフェイズでの「大量ドロー」です。
前述したようにラッシュデュエルのドローフェイズでは、手札が5枚になるようにドローします。
そのため手札を残しておくと次の自分のターンにドローできるカードの枚数が減ってしまうんですよね。
手札に温存することがデメリットになっちゃうの?
でもセットしたら破壊されるかもしれないじゃない!?
そうなんです。
ラッシュデュエルは大量ドローの性質から、手札へカードを温存するかどうかにも駆け引きが生まれるんです。
破壊されたくなかったら温存するべきだけど、温存したらドローできる枚数は少なくなっちゃうし悩ましいわね
このような駆け引きもラッシュデュエルの魅力の一つです。
逆転のデュエルの爽快感が楽しい
前述したようにラッシュデュエルは逆転しやすくなっています。
この「逆転のデュエル」が本当に爽快で、原作やアニメさながらのデュエルを楽しむことができるんです。
ラッシュデュエルはOCGと比較しデュエル自体もサクサク進行し、お互いのターンも多くまたぎます。
またソリティア展開が行われることもなく、プレイに介入できる回数も多くなってるんです。
アニメを見てアニメのようにカードゲームを楽しみたいと思ったことはありませんか?
ラッシュデュエルはそういう想いを叶えやすくなっているんです。
友だちを誘いやすい
遊戯王OCGは20年以上もの歴史の中で、様々なカードが登場し「タイミングを逃す、逃さない」だとか「墓地へ送ると捨てるの違い」など、ルールが複雑化してしまいました。
遊戯王を1から始める場合、新規プレイヤーはこれらのことも覚えなくてはいけません。
私たちも説明するのは大変ですよね。
ラッシュデュエルならルールを伝えやすいですし、複雑なルールもないことから教えやすくなっています。
そういった意味でもラッシュデュエルは初心者に優しく、友だちも誘いやすいカードゲームと言えます。
懐かしいモンスターが多数登場する
ラッシュデュエルにはOCGに登場したモンスターが、登場したりリメイクされ新たな姿で登場します。
アニメファン、OCGファンからするとこういう懐かしのモンスターが使えるのは嬉しいですよね。
私も実際に《青眼の白龍》や《プチモス》が登場すると知り興奮させられました。
こういう懐かしい要素も魅力の一つです。
ラッシュデュエルはOCGの集大成ともいえるカードゲ-ム
ラッシュデュエルはこれまでのOCGの歴史からの学びが活かされ、ルールの変更・簡略化・カードプールのリセットが施されたカードゲームです。
種族・属性による特徴大きく、ステータスの重要性もより高くなっています。
OCGももちろん楽しいですが、OCGの長い歴史で得た学びと反省が活かされていると思うと、これからにも期待できそうじゃないですか?
これからもラッシュデュエルはどんどん楽しくなっていくと思いますし、私は大いに期待しています。
最後に
今回はラッシュデュエルは失敗なのか?について言及しました。
OCGとは異なりスターターデッキも3箱買わなくても遊べるようになっており、安く始められるのもポイントです。
まだ始めるか悩んでいるという方も多いと思いますが、意外と始めている方は多く、徐々に人口を増やしているカードゲームなので興味のある人は試しにスターターデッキでも買ってみてください。
私はもうどっぷりハマっちゃってます!
元々アニメだけは見てて最近ラッシュデュエルを始めたのですが
はじめた当初はOCGの環境につかれてたこともありシンプルながらしっかりカードゲームできてるバランスに「そうそうこういうのでいいんだよ」となっていたのですが
だんだん真面目にやり始めると常にダリべとその対策で刷られたであろう墓地利用系絶対潰すカード群にデッキ構築が振り回されることに・・・
さらに低年齢向けとはとても思えないパックの鬼畜アソートも相まって何とも言えない気持ちに(だんだんアニメの窮屈なデュエル云々や3枚そろわないといけないのに一枚ずつしか売ってくれないマキシマムとかがアニメスタッフの皮肉だったように思えてきました・・・)
もちろん面白いゲームなのは間違いないんで失敗とぶった切る気はないですがじゃあこのままでいいのかっていえばこのままじゃダメだろうなーという感想です
来期は新アニメも始まるとのことなのでこのタイミングで遊びやすくなるてこ入れが欲しいですね
ぬん。さんコメントありがとうございます。
2年目以降から封入率などは徐々に改善されてはいますけど、デッキ構築がパワーカードに振り回されてしまうのはなかなか辛いですよね。
アニメを見ててラッシュデュエルを始めたのなら尚更で、使いたいカードが登場してもそういうパワーカードやそのメタの巻き添えを受けて思うように構築しにくくなっているのは、私もラッシュデュエルで改善してほしいポイントだなと思います。
次のパック発売までの期間も長いですし、今ある問題点を改善してくれることに期待ですね。
封入率というか収録方法で特にひどいなーと思ったのはやっぱりマキシマムですかね
知り合いに小遣いの殆どをカードに費やしてる小学生がいるんですが(というかその子に併せて始めたんですが)
彼のカードケースにはせっかくウルトラレア当たったのに使えないと死蔵されてるマキシマムの真ん中だけとか端っこだけとかがごろごろ・・・アニメの悪役そのまんまのことを公式がやっておる・・・
あとはまあOCGからですけど1弾当たりのウルトラとスーパーの種類が枠に対して多すぎる気がします
彼は最近はマスターオブセブンスロードが欲しいと言ってるんですが、近所にはシングルを扱ってる店がないためパックを剝くしかないけれど確率で考えるとかなり厳しい
お年玉で3箱まではいけると言っていましたが果たして1枚出るかどうか
自分も出たら適当なのと交換するよと約束はしたのですが今のところ2箱剥いたんですけど0枚・・・もう少しこう、汎用の魔法や下級モンスターのウルスー枠を減らしてアニメで活躍したエースモンスターをメインにするとか手心をですね・・・
今回だと恵雷とかゲートとか大人目線で見れば間違いなく強いのはわかるんだけど、違う、そうじゃない・・・いや商売的に仕方ないのか?
レジェンドの封入率に関してはもはや・・・全然でないなと思って調べたら1カートンに2枚くらいで妥協枠も無しとかマジですか?なんでOCGより厳しいん?
上に書いたマキシマムともども本当に低年齢層を取り込む気あります?
いやなんか愚痴ばかりになってしまいましたね申し訳ない、このあたりもできれば新シリーズに入るにあたってもう少し緩和してほしいですね
確かに小学生をターゲットにしてる割には小学生に対して優しくない売り方ですね。
マキシマムなんてパックから当たるカードだけではデッキ構築するなんてほぼ無理ですし…
現状親子で始める形でラッシュデュエルを始める小学生の方が多いですし、小学生を取り込むのが難しいと感じたこそ、大人がお金を落としてくれるように売り方をシフトさせたのかもしれませんね。
儲からないとそもそもコンテンツ自体を継続することは難しいですし、小学生限定大会でレジェンドやマキシマムセットを配ったりとか、大人が悪用できない形で小学生が遊びやすいような環境作りをしてほしいところです。
今のラッシュの現状にそういう弊害がある話はあまり聞かないのでぬんさんの話を聞いてちょっと悲しくなりました。
愚痴がこぼれてしまうのも仕方ないと思います。ほんとなんとか改善してほしいです。
条件と効果が明文化されているのが嬉しいところ。現在進行形でOCGに触れていますが自分が始めた頃はテキストからコストと効果を読み分けなければならなかったのをよく覚えてます。
破壊、墓地に送る、捨てる、除外。戻す。専門用語ではないけど亜空間物質転送装置等の帰還。ややこしかったのはコントロールを移すですかね?フィールドから別の場所にカードが移動するだけでもこんなにある。友人の魔轟神デッキと戦ったときも捨てると墓地に送るで揉めました。
吸収モンスターもアニメを観てなければ全く分かりませんでした。カードゲームのフォーマット的にオフィシャルを謳っているゲームがこれで大丈夫なのかと疑いました。精霊の鏡は未だに不明瞭。デジタル未登場が長く続いた財宝への隠し通路のような裁定が統一されてリンクスで日の目を浴びたカードもあるので今後に期待。
近年はテキストも整備されてきましたが対象を取る取らないの効果は未だに全てのカードが再録を果たしていない以上公式やwikiでのQAを参考にしないといけないこともあったり。思い立って1からカラクリデッキを造ろうとした時にぶち当たりました。
「選択」と「選んで」、日本語としてどう違うのかもコナミさんを一度問いたいですw
長々とOCGのことを話してしまいましたが、テキストに関してはOCG・TCGでの過去と背景から反省・改善がなされていて良かったなと思います。
ラッシュデュエルは流石に時期が悪かったとしか言えないでしたね。
ラッシュにはせめて破壊か除外か戻す、墓地に送るくらいでお願いしたいな。
今後は遊戯王に触れたことがあってもなくても一度は触ってもらう機会をどんどん公式から企画してほしいです。
昔はハーフデッキ配布があったような…。VRAINS期にも遊作のダミーデッキ?で1回復活しましたがイベントで一定の条件を設けてデッキ配布などでもしない限り娯楽のスタートは基本無料になりつつある世の中でユーザーの絶対数を増やすのは難しいのかと思うと商売って難しいんだなと。
リンクスには新ワールドにゼアルが追加されましたがペンデュラムとリンク実装の前にラッシュが実装されるのでは?なんて邪推もしましたw
ゲームそのものが面白いのでプロモーション次第じゃないかなと。
パデさんコメントありがとうございます!
ラッシュデュエルはコロナ禍での発売でしたもんね!
ターゲットにしていたのかはわかりませんが初代遊戯王を観ていた親層の人たちがOCGより遊びやすくなったとラッシュデュエルを始め、ラッシュデュエルのターゲット層である小学生(自分の子供)への布教を頑張ってくれているようです!
この時代ですしデジモンカードの様にルールを学びながら遊べるアプリがあってもいいかもしれませんね。
交流会等、イベントも増えてきてるのでラッシュデュエルにはコロナに負けず頑張ってほしいです!
こういうのは失敗だオワコンだと最初は言われまくりますからね笑
どうなるかは1年2年たってみないと分からないというのが実情でしょうね
ttさんコメントありがとうございます!
まだカードプールも少ないですし失敗と言われるのは仕方ない部分もありますよね
慎重に調整している印象なのでこれからに期待です!