「灼熱のサラマンデウス」にて新たに登場したテーマ【お注射天使リリー】
決して軽くはないライフコストと引き換えに簡単に高い攻撃力を得られるテーマですが、次のターンに低い攻撃力を晒してしまう諸刃の剣的テーマになっています。
今回はそんな【お注射天使リリー】の長所を伸ばしつつも欠点を補ったデッキを解説します。
発表時に沢山の方が話題にしていた直接攻撃ギミックも再現性を高めて取り入れました!
目次
デッキレシピの解説
メインデッキ(40枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
モンスター | 28 |
《ウィトクロース・デメテル》 | 3 |
《七宝神-米大》 | 3 |
《七宝神-良財》 | 1 |
《氷帝メビウス》 | 1 |
《お注射天使リリー》 | 3 |
《アニマル・ドクター・リリー》 | 3 |
《冥跡のジュンディー》 | 3 |
《竜水の神子》 | 3 |
《ベリーフレッシュ・ハピネス・ハーベスト》 | 3 |
《サイバースパイス・ホットポット》 | 3 |
《ルミナス・シャーマン》 | 2 |
魔法カード | 8 |
---|---|
《リリーのお注射》 | 3 |
《七宝神》 | 3 |
《コスモス姫のお戯れ》 | 1 |
《ハリケーン》 | 1 |
罠カード | 4 |
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《夢中の誘い》 | 3 |
《聖なるバリア-ミラーフォース-》 | 1 |
今回は“手軽に3400の攻撃力を得られる《お注射天使リリー》”と“1000の攻撃力アップが行える《アニマル・ドクター・リリー》”を軸に構築しました。
高い攻撃力を得ながら戦うことをコンセプトにビートダウンデッキを行うデッキになっています。
《ウィトクロース・デメテル》を取り入れることにより、コンボギミックが成功しやすくなっている他、柔軟に戦いやすくなっているのがポイントです!
【お注射天使リリー】の回し方:動きの解説
まず、今回のデッキの特徴として以下の強みがあります。
- 攻撃力3000以上のモンスターを展開しやすい
- 魔法・罠カードの除去手段が多い
- 種類を問わないモンスター蘇生により対応力が高い
- 豊富な墓地肥やし・デッキ回復手段によりデッキの再構築を行いやすい
それぞれの強みに沿ってデッキの回し方・動きを解説していきます。
①:攻撃力3000以上のモンスターを展開して戦う
- 自身の攻撃力を強化できる《お注射天使リリー》《ベリーフレッシュ・ハピネス・ハーベスト》
- 相手ターンまで継続する攻撃力強化を行える《アニマル・ドクター・リリー》
- 攻撃力・守備力の弱体化により実質攻撃力3000になる《七宝神-米大》
これらを駆使して、攻撃力3000以上のモンスターを安定して展開していきます。
《お注射天使リリー》
効果モンスター
レベル3 / 地属性 / 魔法使い族 / 攻400 / 守1500
【条件】2000LPを払って発動できる。
【効果】このカードの攻撃力はターン終了時まで3000アップする。
2000ライフポイントという軽くないコストが必要ですが、他にカードを消費せず3400の攻撃力を得る事ができます。
レベル4以下の魔法使い族という点も優秀で、《ルミナス・シャーマン》の効果を適用すれば、直接攻撃を行えるがポイントです。
《ルミナス・シャーマン》 ・自身をコストにレベル4以下の魔法使い族に直接攻撃できる効果を付与 |
後述する《アニマル・ドクター・リリー》による強化も可能であるため、相手のライフポイントが4400以下であれば無理やり決着に持ち込めるようにもなります。
発表当時からこのギミックは話題になっていたわね!
ちなみに重いライフコストですが、《リリーのお注射》を発動していれば、100に抑える事ができます。
《リリーのお注射》 ・《お注射天使リリー》《アニマル・ドクター・リリー》を墓地から回収 ・発動ターン《お注射天使リリー》のライフコストを100にできる |
《アニマル・ドクター・リリー》
効果モンスター
レベル3 / 地属性 / 獣戦士族 / 攻400 / 守1500
【条件】このカードを召喚したターンに、500LPを払って発動できる。
【効果】自分の墓地のモンスター(地属性/攻撃力400/守備力1500)1体を選び、自分フィールドに表側表示で特殊召喚する。その後、自分フィールドの表側表示モンスター1体を選んでその攻撃力を次の相手ターン終了時まで1000アップできる。
《お注射天使リリー》、2体目の《アニマル・ドクター・リリー》を墓地から特殊召喚しながら、モンスター1体の攻撃力を相手ターン終了時まで1000アップさせる事ができます。
《お注射天使リリー》の攻撃力を強化するのはもちろん、攻撃力2000以上のモンスターの攻撃力を強化することで、攻撃力3000以上のモンスターを生み出す事ができます。
効果発動後は低い攻撃力を晒して棒立ちになってしまうため、アドバンス召喚のリリース素材か、次のターンに《夢中の誘い》のコストにするのが理想です。
《夢中の誘い》 ・相手モンスター1体のコントロールを得る ・手札のカードとフィールドのモンスター1体をデッキに戻すコスト有り 相手ターンでは攻撃力の低い《お注射天使リリー》《アニマル・ドクター・リリー》を自分フィールドのモンスターを減らさずに処理する事ができます。 コストとなったモンスターがデッキに戻ってしまう点は要注意です。 |
今回、魔法・罠カードの除去手段を多く採用しているのですが、その内の1枚《氷帝メビウス》は上級モンスターであるが故に《アニマル・ドクター・リリー》の欠点を補いやすくなっています。
《氷帝メビウス》 ・フィールドの魔法・罠カードを2枚まで破壊 効果発動後の《アニマル・ドクター・リリー》を無理なく処理しながら、相手の魔法・罠カードを除去する事ができます。 |
ちなみに《アニマル・ドクター・リリー》の効果は自身の攻撃力を上げるのも有効で、攻撃力1400のモンスターとして使うこともできます。
《ベリーフレッシュ・ハピネス・ハーベスト》
効果モンスター
レベル1 / 水属性 / 水族 / 攻100 / 守500
【条件】このカードを召喚・特殊召喚した自分メインフェイズに、このカード以外の自分の手札・フィールドのカードを2枚まで墓地へ送って発動できる。
【効果】このカードの攻撃力は次の相手ターン終了時まで、[この効果の条件で墓地へ送ったカードの数]×1500アップする。自分の墓地にモンスター(水族)が5体以上いる場合、さらにこのカードは次の相手ターン終了時まで相手の魔法・罠カードの効果では破壊されない。
手札・フィールドのカード2枚をコストに、3100の攻撃力を得る事ができます。
下級モンスターでありながら高い攻撃力を得る事ができ、状況によってはカード1枚をコストに攻撃力1600のモンスターとして使えるのもポイントです。
《アニマル・ドクター・リリー》とは相性が良く、《アニマル・ドクター・リリー》の効果で攻撃力を強化しながら、《アニマル・ドクター・リリー》と効果によって墓地から特殊召喚したモンスターをコストに4100の攻撃力を得る事ができます。
《七宝神-米大》
効果モンスター
レベル7 / 光属性 / 天使族 / 攻2300 / 守1700
自分の墓地にモンスター(守備力2700)または「七宝船」がある場合、このカードは手札から自分フィールドに表側表示で特殊召喚できる。
【条件】なし
【効果】自分のデッキの上からカード2枚を墓地へ送る。その後、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んでその攻撃力・守備力を次の相手ターン終了時まで700ダウンできる。
相手モンスターの弱体化により攻撃力3000以下のモンスターを処理できるため、実質攻撃力3000のモンスターとして使う事ができます。
弱体化の性質から《アニマル・ドクター・リリー》とは異なり、どのタイミングで展開しても他の自分のモンスターの戦闘サポートができる点がポイントです。
基本は手札からの特殊召喚によりコスパ良く展開していきますが、アドバンス召喚により《アニマル・ドクター・リリー》の欠点をケアしたりと臨機応変に展開できるの点も優秀なポイントです。
ここまで展開したモンスターの攻撃を安全に通すために、展開の過程で相手の魔法・罠カードを除去していきます。
②:魔法・罠カードの除去手段が多い
魔法・罠カードを除去する手段は計6枚採用しており、モンスターは全て再利用可能になっています。
《氷帝メビウス》 ・フィールドの魔法・罠カードを2枚まで破壊 上級モンスターであることから役割を果たした下級モンスターをフィールドから退かしながら、相手の魔法・罠カードを除去する事ができます。 | |
《竜水の神子》 ・相手のセットされた魔法・罠カード1枚を破壊 ・コストによりデッキリソースの回復も可能 コストにより《氷帝メビウス》もデッキに戻せるのがポイントで、繰り返し使える除去手段として機能します。 ちなみにコストにより墓地のモンスターをデッキに戻す際は《竜水の神子》+モンスター3枚という組み合わせで戻すことも可能です。 | |
《コスモス姫のお戯れ》 ・手札2枚をコストにカード2枚を破壊 他のカードとは異なりモンスターも破壊できるのがポイントで、ドロー効果を適用できない場合でも手札コストによるカード消費は《アニマル・ドクター・リリー》《サイバースパイス・ホットポット》などで回復しやすくなっています。 | |
《ハリケーン》 ・フィールドの全ての魔法・罠カードをバウンスにより除去 次のターンのドロー枚数を減らせるのも強力で、戻したカードによっては次のターンの相手の動きを弱くする事ができます。 |
継続して魔法・罠カードを除去できるようになっているため、高い攻撃力得たモンスターの攻撃を通しやすくなっています。
これで《お注射天使リリー》での直接攻撃も安心して行えるわ!
- 魔法・罠カードの除去
- 攻撃力3000以上のモンスターを展開
ここまででわかる通り基本的には上記のように展開をつなげていくのですが、高い柔軟性と直接攻撃ギミック成立のために《ウィトクロース・デメテル》を採用しています。
③:種類を問わないモンスター蘇生により対応力が高い
《ウィトクロース・デメテル》
効果モンスター
レベル7 / 炎属性 / サイバース族 / 攻2200 / 守0
【条件】自分が墓地からモンスターを特殊召喚していないターンに発動できる。
【効果】相手は自身のデッキの上からカード2枚をめくり、お互いに確認する。自分は[その中のモンスターのレベルの合計]以下のレベルを持つ、自分の墓地のモンスター1体を選んで自分フィールドに表側表示で特殊召喚できる。相手はめくったカードを好きな順番でデッキの上に戻す。
下級モンスターは《ウィトクロース・デメテル》の効果で墓地から特殊召喚しやすいため、状況に合わせて必要なモンスターを展開しやすくなっています。
採用している下級モンスターのレベルが3以下である点もポイントで、1枚でもモンスターがめくれれば特殊召喚しやすくなっています。
また《ウィトクロース・デメテル》は《サイバースパイス・ホットポット》の効果で墓地から回収することもできるため、安定して使いやすいのもポイントです。
特殊召喚が有効な下級モンスター
《お注射天使リリー》 攻撃力3400のモンスターを用意する手段になり、《ルミナス・シャーマン》が引けている時は直接攻撃ギミックを成立させるためにも使う事ができます。 | |
《ルミナス・シャーマン》 墓地からの回収手段の少なさから基本的には”デッキに戻して《お注射天使リリー》を用意できるカードと同時に引く”ことを待つカードですが、《ウィトクロース・デメテル》の存在からドローを待たずに直接攻撃ギミックを成立させられるのがポイントです。 | |
《竜水の神子》 デッキを再構築したい時、魔法・罠カードを破壊したい時と状況に応じて使いやすく、後述する墓地肥やしにより複数体墓地にいる状況も有効活用しやすくなります。 | |
《ベリーフレッシュ・ハピネス・ハーベスト》 《ウィトクロース・デメテル》の効果を有効活用しにくい【ベリーフレッシュ】相手にも有効なカードで、《ウィトクロース・デメテル》の効果の条件でレベル1モンスターしかめくれなかった場合でも特殊召喚する事ができます。 相手ターンに《お注射天使リリー》を処理する手段がない時はこちらを優先する場合もあり、展開に柔軟性を持たせられるのもポイントです。 | |
《冥跡のジュンディー》 序盤では墓地肥やしを加速させる手段になります。他のモンスターと比較しレベル4であるため、特殊召喚できるかが相手のデッキに依存しやすいのがデメリットです。 | |
《サイバースパイス・ホットポット》 《ベリーフレッシュ・ハピネス・ハーベスト》と同じく、【ベリーフレッシュ】相手にも特殊召喚しやすいモンモンスターで、効果により墓地の《ウィトクロース・デメテル》を回収すれば《七宝船》のコスト確保にもなります。 |
柔軟性の高さはもちろんですが、直接攻撃ギミックを成立させやすいのが本当に偉いです!
④:豊富な墓地肥やし・デッキ回復手段によりデッキの再構築を行いやすい
ラッシュデュエルにおいて重要となる、墓地肥やしとデッキ回復によるデッキの再構築。
今回のデッキも豊富な墓地肥やし手段(手札交換手段)とデッキ回復手段からそれを行い、デッキの再構築ができるようになっています。
3枚分の墓地肥やしが行える《冥跡のジュンディー》は、地属性である《お注射天使リリー》《アニマル・ドクター・リリー》と相性が良く、1ターン目に発動しても50%の確率で1枚分の手札交換も行ってくれます。
《ウィトクロース・デメテル》《アニマル・ドクター・リリー》《サイバースパイス・ホットポット》など、墓地のカード参照するカードも多いため、これらで墓地を整え準びを整っていきます。
デッキを回復させるカードは《竜水の神子》のみですが、2枚目の《竜水の神子》をデッキに戻したり、《ウィトクロース・デメテル》の効果で墓地から特殊召喚する事ができます。
そのため《竜水の神子》のみでもデッキ回復手段には困りません。
これら墓地肥やしとデッキ回復を駆使して、高いやすい墓地環境を整えながらデッキの再構築によりドローの質を高めていきます。
以上が【お注射天使リリー】におけるデッキの回し方です。
他のカードの採用理由
《七宝神-良財》 ・レベル7モンスターと魔法・罠カードに破壊耐性を付与 ・墓地で《七宝神-米大》の特殊召喚条件を満たす 特殊召喚しておくことで自分フィールドのリソースを守りやすくなります。《アニマル・ドクター・リリー》の効果で攻撃力を強化すれば、攻撃力2700のアタッカーとして使えるようになるのもポイントです。 | |
《聖なるバリア-ミラーフォース-》 ・攻撃表示モンスターを全て破壊する攻撃反応系カード 攻撃反応系という欠点はありますが、相手モンスターを破壊できれば展開した高攻撃力モンスターの攻撃を通しやすくなります。 |
まとめ
今回は【お注射天使リリー】デッキのデッキレシピを解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 魔法・罠カードの除去、墓地肥やしで展開・攻撃の下準備を行う
- 攻撃力3000以上のモンスターを展開して攻撃
《ウィトクロース・デメテル》による蘇生で相手に合わせて柔軟に対応していくのがポイント
《お注射天使リリー》を活かした攻撃的なデッキ!
少しライフ管理は難しいですが派手で楽しいのでぜひ構築してみてください!