可愛い姿で描かれる【夢中】のモンスターたちですが、種族通り様々な昆虫をモチーフにしたテーマになっています。
様々な種類の彼女たちにどんな昆虫をモチーフにしているのだろう?と気になったりはしていませんか?
そこで今回は【夢中】の元ネタ・モチーフを解説します。
この記事で紹介する設定はカードのイラスト・フレーバーテキストなど、公式の情報から推測・考察したものであることをご了承ください。
故事も由来になっており、関連性を紐解くと設定の面白さをさらに増して感じられますよ!
昆虫の画像を使用しています!
苦手な方はご注意ください!
目次
【夢中】テーマの元ネタ・モチーフ
【夢中】は相手を夢へ誘うデザインと相手モンスターを昆虫族に変更する効果から、中国戦国時代の思想家である荘子の「斉物論」に登場する故事「胡蝶の夢」に由来していると思われます。
夢の中で蝶になった荘子は、まるで自分が元々の蝶であったかのように自由に飛び回り遊んでいました。
夢から目覚めると自分が夢で蝶になったのか、蝶が自分(人間)になっていたのかわからなくなったという話。
この故事から「胡蝶の夢」は「夢と現実の区別ができないこと」という意味でも使われています。
【夢中】の効果やイラストから分かるとおり、「夢中」モンスターの誘惑により導かれた少女が《夢中のシルビクス》の繭による抱擁の後、「夢中」モンスター化した状態で目覚めています。
美しく輝く蝶に誘われ森に足を踏み入れる少女。
それは《夢中のパピヨン》によって行われ、少女は友だちの忠告を聞かず森の奥へと導かれます。
輝く蝶を夢中で追いかける少女。
気がつけば少女は蝶のように羽ばたき森を飛んでいました。
《夢中のランビリス》も加わり、少女はさらに森の奥へと導かれます。
気がつけば少女は夢の中。
意識を失った少女は《夢中のシルビクス》が作り出す輝く繭に包まれます。
目覚めた少女はベットの上にいました。
少女には昆虫の羽が生えていました。
その羽は人形にまで生えており、まるで少女が元からこの姿であったように錯覚させます。
蝶のように飛び回った心地いい夢は現実?
人間として過ごしていた日々は夢?
少女にその区別はつかず《夢中のラーヴァ》として第二の人生を歩むのです。
イラストに描かれている人形までもが「夢中」モンスター化しており、現実と夢の区別がつきにくい状況にいる事がわかりますよね。
まさに「胡蝶の夢」状態です。
そしてこの故事から蝶は「夢虫」とも呼ばれており、【夢中】というテーマ名にも由来しています。
少女を誘惑して「夢中」モンスター化させるなんて、よくよく考えたら恐ろしいことをしてるわね
ちなみに《現夢中のシルビクス》も「胡蝶の夢」を感じさせるカード名になっています!
「胡蝶の夢」に加えて、沈既済の故事「枕中記」に登場する「邯鄲の夢(カンタンノユメ)」も由来になっていると思われます。
この物語には栄華が思いのままになるという枕が登場しており、《栄華夢中のシルビクス》のカード名はここから来ています。
また「胡蝶の夢」「邯鄲の夢」も「人生は儚いこと」を意味しており、【夢中】におけるメインモンスター《夢中のシルビクス》のモチーフとなる蚕が10日ほどで命を失ってしまうことにも紐づけられています。
【夢中】の昆虫モチーフ・元ネタ一覧
《夢中のシルビクス》
《夢中のシルビクス》は繭を作り出す白い蛾“蚕”がモチーフとなっています。
カード名は蚕が作り出す繭を素材に作られる“絹(シルク)”+蚕の学名”Bombyx mori”から来ています。
体が大きく飛翔に必要な筋肉が退化しているという蚕の性質からか、《夢中のシルビクス》も他の「夢中」モンスターと比較し豊満でふくよかな体型をしています。
様々な姿が存在する《夢中のシルビクス》ですが、前述した通り「胡蝶の夢」「邯鄲の夢」がカード名として反映されています。
「夢と現実の区別ができないこと」を意味する「胡蝶の夢」から《現夢中のシルビクス》。
栄華が思いのままになるという枕が登場する「邯鄲の夢」から《栄華夢中のシルビクス》がカード名になっています。
《夢中のラーヴァ》
《夢中のラーヴァ》は触覚の代わりに幼虫のようなアイマスクをしている点から“蚕の幼虫”がモチーフとなっています。
カード名は幼虫の英名“larva(ラーヴァ)”からで、そのままカード名になっています。
他の下級「夢中」モンスターと比較すると、攻撃力・守備力は同じですが、レベルが低くなっています。
これは《夢中のラーヴァ》がまだ幼虫であるからと読み取れます。
また手に持つランタンには蚕の幼虫が唯一食べられる桑の葉のような葉が装飾されており、モチーフとの関連性の強さが出ています。
《夢中の再誕》のイラストに描かれており、《夢中の再誕》が《夢中の抱擁》と類似する効果を持っていることから《夢中のシルビクス》が産み出した「夢中」モンスターの幼生であることが読み取れます。
全ての「夢中」モンスターが元々人間だったのか、それとも元人間が「夢中」モンスター化することで下級「夢中」フュージョンモンスターが生まれるのか。
まだまだ謎が多いです。
《夢中のカラブローネ》
《夢中のカラブローネ》は“スズメバチ”がモチーフとなっています。
カード名はスズメバチのイタリア語“Calabrone(カラブローネ)”からで、そのままカード名になっています。
スズメバチという名に相応しくメインデッキに入る【夢中】の中では攻撃力が一番高くなっています。
スズメバチは幼虫が入る巣の穴を覆うように繭を作り出す性質がありますが、手元の繭を思わせるランタンのようなものや《夢中のシルビクス》を墓地から回収する効果はこの性質から来ています。
黄色と黒の配色もスズメバチを連想させるわね!
《夢中のシュエル》
《夢中のシュエル》はその特徴的な触覚から“タマムシ”がモチーフとなっています。
カード名はタマムシの英名“Jewel beetle(ジュエルビートル)”からで、一部を捩ってカード名にしています。
宝石の甲虫の名に相応しく手に持つランタンには宝石のような装飾が施されていて、全体的なカラーリングもタマムシを思わせる緑を基調としたものになっているのが特徴です。
《夢中のドローネ》
《夢中のドローネ》はその特徴的な触覚から“カナブン”がモチーフとなっています。
カード名はカナブンの英名“Drone beetle(ドローンビートル)”から来ており、ドローンをローマ字読みしたドローネがカード名になっています。
頭の髪飾りはカナブンの背中を思わせる形状になっており、触覚以外からもカナブンモチーフであることを感じる事ができます。
また腰元にはどんぐりを思わせる装飾が見られますが、カナブンはどんぐりがなる木”クヌギ”の樹液を餌にする性質があり関連性を感じさせます。
《夢中のパピヨン》
《夢中のパピヨン》は“蛾”がモチーフとなっています。
カード名は蛾のフランス語“Papillon(パピヨン)”から来ており、そのままカード名になっています。
蛾は光に集まる性質(走光性)を持つのが特徴ですが、様々なイラストで蝶の形をした光で誘惑している姿はこの性質が反映されています。
よく見ると毒々しい羽してるわね
《夢中のマリキータ》
《夢中のマリキータ》は“テントウムシ”がモチーフとなっています。
カード名はテントウムシのスペイン語“Mariquita(マリキータ)”から来ており、そのままカード名になっています。
手に持つランタンはテントウムシを思わせる装飾が施されており、全体的なカラーリングも赤と黒を基調としたものになっています。
《夢中のランビリス》
《夢中のランビリス》は“蛍”がモチーフとなっています。
カード名は蛍のギリシャ語“πυγολαμπίδα(ランビリス)”から来ており、そのままカード名になっています。
羽や触覚以外には手に持つランタンの光源も蛍を連想させる構造になっています。
まとめ
今回は【夢中】の元ネタ・モチーフを解説しました。
まとめると以下の通りです。
- テーマ全体の元ネタ・モチーフは中国の故事「胡蝶の夢」「邯鄲の夢」
モンスター毎の元ネタ
カード名 | 元ネタ |
---|---|
《夢中のシルビクス》 | 蚕 |
《夢中のラーヴァ》 | 蚕の幼虫 |
《夢中のカラブローネ》 | スズメバチ |
《夢中のシュエル》 | タマムシ |
《夢中のドローネ》 | カナブン |
《夢中のパピヨン》 | 蛾 |
《夢中のマリキータ》 | テントウムシ |
《夢中のランビリス》 | 蛍 |
こうして見ると多種多様な昆虫たちが「夢中」モンスターとして登場していますね!