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【ハーピィ】デッキを強くする構築講座【遊戯王ラッシュデュエル】

記事の内容

強いデッキを構築するには、構築の時点でしっかりと意図を持つことが重要です。

その上で、自身のやりたい事と大会環境においてやるべき事、そのバランスの見極めていかなければいけません。

この記事では、相談者のデッキを元に何を意識して構築すればこれらを実現する事ができるのかを解説していきます。

今回は【ハーピィ】デッキを強くする構築を提案。

相談者

わかはぴ

相談デッキハーピィ

今回はわかはぴさんから構築の相談を受けた【ハーピィ】について自身が練習し、その上で考えついた改善案を打ち出していきます。

そる
そる

デッキ構築の時点でしっかりと意図を持ち、その方向性で調整していく事で多少のプレイミスに左右されない屈強なデッキを構築する事ができます

返答はXにて

相談者のデッキレシピ

メインデッキ(40枚)

カード名枚数
モンスター26
《ハーピィ三姉妹[L]》3
《ハーピィ三姉妹》3
《ハーピィ三姉妹[R]》3
《エクスキューティー・リュミエル》3
《風帝ライザー》3
《ハーピィ・レディ3》3
《ハーピィ・レディ1》1
《ハーピィ・レジーナ》3
《ハーピィ・カーラ》1
《業火の結界像》1
《ハーピィ・レディ》3
魔法カード11
《トライアングル・X・スパーク》3
《万華鏡-華麗なる分身-》3
《魔法石の採掘》1
《強欲な壺》1
《ハーピィズフルドレス》3
罠カード3
《ハートブレイクルック》2
《聖なるバリア-ミラーフォース-》1

早速ですが、こちらがご提示いただいた構築になります。

【ハーピィ】のデッキパワーを押し上げる《トライアングル・X・スパーク》《ハーピィズフルドレス》といった強力な打点補助カードをしっかり最大枚数抑えながら《万華鏡-華麗なる分身-》を厚く採用することで面の展開を押していくような意図が伺えます。

気になった点

私なりに気になった採用についてわかはぴさんに伺ってみました。

以下がそのカードと採用理由の回答になります。

採用理由
レベル7・8を退けて直接攻撃しやすくするため。
打点補助と数合わせ。肌感で下級枚数が《エクスキューティー・リュミエル》も数に含めて16になってるので2枚になってます。
《ハーピィ・レジーナ》との上振れを狙ってと、名称が《ハーピィ・レディ》であるため。
高打点が苦手なので、守備表示にすることで攻撃の抑制と次のターンの戦闘補助をするため

実際に【ハーピィ】を触ってみて

気になる採用にご回答をいただいたところで、本構築をベースにカードを差し替えながら【ハーピィ】の対面練習を行いました。

その中で感じた【ハーピィ】を使う意義と長所が以下の3点になります。

  1. 《トライアングル・X・スパーク》を絡め、相手の罠を使わせないまま短いターンでライフを押し切る。
  2. ①の動きに《ハーピィズフルドレス》等の打点向上を絡め更に効果的にダメージを重ねる。
  3. コストパフォーマンスの良いアタッカーを展開し相手に押し付ける、
    取り切られなかったアタッカーを起点に更なる攻勢を仕掛ける。

これらの利点にしっかり目を向け伸ばしていく(時にはそぐわないカードを排す)ような構築へと進めていきました。

デッキレシピの改善案

メインデッキ(40枚)

カード名枚数
モンスター24
《ハーピィ三姉妹[L]》3
《ハーピィ三姉妹》3
《ハーピィ三姉妹[R]》3
《風帝ライザー》3
《ハーピィ・レディ1》3
《ハーピィ・レジーナ》3
《ハーピィ・カーラ》1
《業火の結界像》1
《ハーピィ・レディ》3
魔法カード14
《トライアングル・X・スパーク》3
《万華鏡-華麗なる分身-》3
《レジェンド・ストライク》3
《魔法石の採掘》1
《ブラック・ホール》1
《ハーピィズフルドレス》3
罠カード2
《ハーピィの羽根嵐》1
《聖なるバリア-ミラーフォース-》1

ラッシュデュエルの原則である、“自身の強い動きを円滑に通す”という方向性で組み替えました。

基準要素としては前項に挙げた3点をベースとしていますが、どのように取り入れていったか詳しく掘り下げていこうと思います。

①:《トライアングル・X・スパーク》を絡め、相手の罠を使わせないまま短いターンでライフを押し切る

カードの種類/効果

通常魔法

【条件】自分フィールドに表側表示の「ハーピィ三姉妹」がいる場合に発動できる。
【効果】自分フィールドの表側表示モンスター(風属性)を3体まで選び、その攻撃力をターン終了時まで600アップする。このターン、相手は罠カードを発動できない。

相手のカードを機能停止させながらライフで押し込む、最も【ハーピィ】が得意とする部分になります。

現環境は【ワンダーフュージョン】デッキを始めとした最上級モンスターを搭載している多くのデッキが墓地リソースの獲得、事故防止のために《ノーバディ・スキャットシーフ》を厚く搭載しています。

カードの種類/効果

通常罠

【条件】自分フィールドのモンスターが相手の攻撃または相手の効果で破壊された時に発動できる。
【効果】自分は3枚ドローする。その後、自分は手札を1枚以上選んで墓地へ送る。自分フィールドにモンスターがいない場合、さらにこのターン、相手モンスター(レベル8以下)の攻撃で自分は戦闘ダメージを受けない。

このような回転の補助になりつつ、自発的には発動できないカードを使用不可にすることで相手の行動を大きく制限することができます。

《トライアングル・X・スパーク》や、これを更に強く使うための《万華鏡-華麗なる分身-》での多面展開といった部分はご提示いただいたデッキレシピの時点でしっかり抑えられていました。

このため更に別角度から相手の動きを阻害すると考えた時に、現環境における強力な抑制カードである《業火の結界像》を再現性高く展開できる《レジェンド・ストライク》のギミックを搭載することとしました。

カードの種類/効果

通常魔法

【条件】300LPを払って発動できる。
【効果】自分の墓地のモンスター(レベル4/攻撃力1600以下)またはレジェンド通常モンスター1体を選び、自分フィールドに表側表示で特殊召喚する。この効果で「レジェンド・マジシャン」またはレジェンド通常モンスターを特殊召喚した場合、さらに相手フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊できる。

《トライアングル・X・スパーク》で罠を封じる、《業火の結界像》で特殊召喚を封じ込めていく。

それぞれの動きは単体でも強力ですが、この二重の妨害を併用して扱っていく事でかなりのカードを機能停止に追い込むことができます。

制限カードである《業火の結界像》のために多くの補助カードをデッキに搭載するのはやや極端に感じる方もいるかもしれません。

しかし【ハーピィ】は元々レベル4が多く搭載されているため、相性がかなり良い平均点が高いシステムであると言えます。

また以前はなかなか成立しにくかった《ハーピィ・レディ》+《ハーピィ・レジーナ》といったアドバンテージを獲得する組み合わせにも到達し易くなっており、戦略性に奥行きを与えるようなエンジンにもなってくれています。

②:①の動きに《ハーピィズフルドレス》等の打点向上を絡め更に効果的にダメージを重ねる

カードの種類/効果

装備魔法

【条件】自分フィールドの表側表示の「ハーピィ・レディ」または「ハーピィ三姉妹」1体に装備できる。
【効果】装備モンスターの攻撃力は800アップし、守備力は400アップする。自分フィールドの表側表示モンスターが1体または3体の場合、さらに装備モンスターの攻撃は貫通する。

次に【ハーピィ】が得意とする機能停止を達成した後の立ち回りについて考察してみました。

元々のデッキレシピに搭載されていた《エクスキューティー・リュミエル》や《ハートブレイクルック》からも伺えますが、【ハーピィ】は補助カードを駆使して最上級モンスターになんとか打ち勝てるような打点感のデッキです。

逆に言ってしまうと相手の屈強なモンスターに付き合ってしまうことはかなり問題で、これに強化系の魔法を使用してしまうとゲームに勝利するためのライフ奪取能力が不足してしまいます。

元々入っていた《エクスキューティー・リュミエル》等も同様で、自分の動きを達成する。というよりかは多少デッキを弱くしてでも苦手なカードに付き合うための後ろ向きな採択であるように感じました。

色々と難しく表現してしまいましたが、苦手なことに向き合う必要はなく、得意分野を伸ばして相手を負かせる方が分かり易くかつ効率的です。

これは【ハーピィ】ならば、相手のモンスターに付き合わずにライフをガンガン取っていくことをメインに据えたいと言う風に言い換えられます。

以上からレジェンド魔法・罠をこの思考に沿った物に変更しています。

カードの種類/効果

通常魔法(LEGEND)

【条件】なし
【効果】お互いのフィールドのモンスターを全て破壊する。

カードの種類/効果

通常罠(LEGEND)

【条件】相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
【効果】相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。

《ブラック・ホール》は《魔法石の採掘》から放って一気にライフを詰められます。

カード枚数に余裕があるシーンなら《トライアングル・X・スパーク》を撃って罠を止めてから《ブラック・ホール》といった安全で強力な攻め方も視野に入ります。

《聖なるバリア-ミラーフォース-》は自身の《業火の結界像》を守りながら相手の面を野ざらしにする等、他要素との噛み合いが良い採択になります。

他選択肢として《魔法の筒》も無くはないのですが、強いシーンは相手依存の限定的なものです。

そのため基本的には相手の盤面を空にして攻撃していく方が攻撃的なハーピィにおいてはダメージ面でも効率的であると考えられます。

元々入ってた《風帝ライザー》はこれらの目的にしっかり則していますし、《ハーピィ三姉妹》のセンターで再利用も狙える間違いないカードであると言えますね。

③:コストパフォーマンスの良いアタッカーを展開し相手に押し付ける、また取り切られなかったアタッカーを起点に更なる攻勢を仕掛ける

この要素を達成するためには《ハーピィ三姉妹》を複数展開したり、《ハーピィズフルドレス》を付けて相手に高打点を押し付けていく事を安定して行っていくことを意識する必要があります。

このために《万華鏡-華麗なる分身-》を効率良い形で発動したり、手札を整えていく事が一番素直で分かり易い方針です。

先述した《レジェンド・マジシャン》&《レジェンド・ストライク》のギミックは《ハーピィ三姉妹》を墓地に送りながら、《ハーピィ・レジーナ》でドロー増強と《ハーピィ三姉妹》の回収を目指していくギミックでもあるのでこれの遂行に達成し易いムーブとも言えます。

また細かいところですと、感覚的な部分で枚数調整されていた《ハーピィ・レディ1》をしっかり3枚採用し、意図的な面づくりを構築段階から狙っています。

▶︎ 採用枚数に関する詳しい解説はこちらをチェック!

【デッキ構築のコツ】採用枚数を感覚で決めてませんか?【遊戯王ラッシュデュエル】

その他の改善案

かなりまとまりが良くスマートな構成に仕上がったと思いますが、他に候補に上がった代替案も多少記載しておきます。

轟炎フェニックス環境はまだ始まったばかりですので、環境の変化や自身の感触によって使い分けてみてはいかがでしょうか。

《ハーピィ・レディ2》《ハーピィ・レディ3》

カードの種類/ステータス/効果

効果モンスター
レベル4 / 風属性 / 鳥獣族 / 攻1300 / 守1400

墓地にいるこのカードのカード名は「ハーピィ・レディ」になる。
【条件】デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。
【効果】次の相手ターン終了時まで、このカードのカード名は「ハーピィ・レディ」になり、このカードの攻撃宣言時に相手は罠カードを発動できない。

カードの種類/ステータス/効果

効果モンスター
レベル4 / 風属性 / 鳥獣族 / 攻1300 / 守1400

墓地にいるこのカードのカード名は「ハーピィ・レディ」になる。
【条件】自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。
【効果】次の相手ターン終了時まで、このカードのカード名は「ハーピィ・レディ」になる。その後、相手フィールドの表側表示モンスター(レベル8以下)1体を選ぶ事ができる。選んだ場合、次の相手ターン、相手はそのモンスターで攻撃できない。

環境に《レジェンド・ストライク》のギミックを搭載したデッキが多く発生していることから下級打点のメジャーなボーダーラインが《レジェンド・マジシャン》の1100になると考えられます。

これに対して《ハーピィ・レジーナ》の1000打点はやや不安がある数値となります。

そのため《ハーピィ・レジーナ》とコンビを組む形としている《ハーピィ・レディ》を抜いて、以下の特徴がある《ハーピィ・レディ2》《ハーピィ・レディ3》に差し替えていくという提案です。

  • 攻撃力1300、守備力1400と優秀なステータスライン
  • 名称《ハーピィ・レディ》のかさ増し
  • 効果起動で1枚墓地を肥やして《ハーピィ三姉妹》や《業火の結界像》に繋げることができる

これらにより安定感のある強力な採択になるかと思います。

《アメイジング・ディーラー》

カードの種類/ステータス/効果

効果モンスター
レベル3 / 水属性 / 魔法使い族 / 攻0 / 守1000

【条件】自分の墓地のモンスターが3体以下の場合、300LPを払って発動できる。
【効果】自分の手札3枚を選んで墓地へ送る。その後、自分は3枚ドローする。

ハンド事故防止という点で《ハーピィ・レジーナ》を採用していますが、どちらかというとある程度場が安定した上で起動しがちなカードです。

そのため、最序盤の上級が重なるハンド事故を重く見たい場合はこちらかなと思います。

ステータスやデッキテーマに適さない種族・属性ではあるものの、《万華鏡-華麗なる分身-》との噛み合いも良く、先行1ターン目に《万華鏡-華麗なる分身-》による面の押し付けをし易くなるのもとても良いと思います。

《亜竜地獄》等の罠

カードの種類/効果

通常罠

【条件】相手がモンスター(レベル8以下)を表側表示で召喚・特殊召喚した時、自分フィールドの表側表示モンスター(レベル5以上)1体を墓地へ送って発動できる。
【効果】お互いのフィールドの表側表示モンスターのレベルの内、レベルが一番高いモンスターを全て破壊する。

今回はスペースの都合、また《ハーピィ・レディ》を厚く搭載している点から使い易い《ハーピィの羽根嵐》を優先していますが、他にも多くの罠の採用が考えられます。

《亜竜地獄》なんかはかなり分かり易く強く、デッキの方向性とも相性が良いと思います。

どちらかというと自分のライフ奪取に繋がるような罠がコンセプト的にもおすすめで、スキャットシーフのような受け身なカードは有効に働くシーンが少ないのではないかと考えています。

また罠を厚く計3枚取りたいといった場合にはメインに1枚入っている《ハーピィ・カーラ》を抜くという方向がお勧めです。

カードの種類/ステータス/効果

効果モンスター
レベル2 / 風属性 / 鳥獣族 / 攻500 / 守500

【条件】なし
【効果】自分の墓地の「ハーピィズフルドレス」1体を選んで自分フィールドの魔法&罠ゾーンにセットする。

効果成功時のバリューが高く、1枚入れてると《ハーピィ三姉妹》センターからサイクルできる本カードを強く評価するか、多少リスキーでも強い罠を構えたいのかの好みになってくるかと思います。

最後に

以上で今回のハーピィデッキ相談を〆とさせていただきます。

このようなデッキタイプは一見簡単なようで、1つの小さなミスが大きく勝敗に影響してしまう扱いが難しいものだと捉えています。

自身の練習段階でもケアレスミスで負けてしまう事が多かったですし、中途半端な対策カードを入れるとカードパワーの差で圧倒されてしまうようなシーンも頻発しました。

故に構築段階から勝ち方とその順序立て、目標をしっかり据えた円滑で適正な基盤作りが肝になってくるのではないかと言う事を強く痛感致しました。

以上、何か一つでも読んで下さった方の参考になることを願っております。

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