トリプルビルドパック「エボリューション・インパクト」にてテーマ化した【夢中】
昆虫族への種族変更を起点にフュージョン召喚・除去・コントロール奪取と様々な動きに繋げられるテーマですが、どのように構築すればいいのかわからないという方もいると思います。
そこで今回はテーマの特性をより活かせるように構築した【夢中】のデッキレシピを解説します。
種族変更を起点とした従来にはないテーマ性で使っていても楽しいデッキになっています!
目次
デッキレシピの解説
メインデッキ(40枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
モンスター | 28 |
《夢中のシルビクス》 | 3 |
《夢中のカラブローネ》 | 3 |
《翅甲王ディナス・ドルクス》 | 3 |
《夢中のドローネ》 | 3 |
《夢中のシュエル》 | 3 |
《夢中のパピヨン》 | 3 |
《夢中のランビリス》 | 3 |
《ポリゴンバタフライ》 | 3 |
《代打バッター》 | 3 |
《放浪の勇者 フリード》 | 1 |
魔法カード | 11 |
---|---|
《夢中の抱擁》 | 3 |
《コーリング・ダーク・メテオ》 | 3 |
《昂光の呪縛》 | 3 |
《コスモス姫のお戯れ》 | 1 |
《死者蘇生》 | 1 |
罠カード | 1 |
---|---|
《狡猾な落とし穴》 | 1 |
エクストラデッキ(9枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
《現夢中のシルビクス》 | 3 |
《栄華夢中のシルビクス》 | 3 |
《夢中のラーヴァ》 | 3 |
今回は相手モンスターを昆虫族に変更しながら戦うテーマ【夢中】を軸に構築しました。
種族変更を起点に、フュージョン召喚・除去・コントロール奪取と様々な動きに繋げられるのがポイントです。
【夢中】デッキの回し方:動きの解説
まず、今回のデッキの特徴として以下の強みがあります。
- フュージョン召喚による多面展開ができる
- 破壊耐性・バウンス耐性に影響を受けない除去手段がある
- 種族変更により種族サポートを妨害しながら展開できる
①:《夢中のシルビクス》を駆使して最上級モンスターを複数体展開する
《夢中のシルビクス》
効果モンスター
レベル8 / 光属性 / 昆虫族 / 攻2400 / 守1200
このカードはモンスター(光属性/昆虫族)1体をリリースして攻撃表示でアドバンス召喚できる。
【条件】なし
【効果】自分の手札・フィールドのモンスターを素材として墓地へ送り、モンスター(光属性/昆虫族)をフュージョン召喚する。
本デッキの要となるモンスターで、フュージョン召喚を行う効果により最上級モンスターの複数展開に繋げる事ができます。
自身を素材にする必要がないのがポイントで、以下の組み合わせで自身以外のモンスターを素材にすることで効率の良い展開を行います。
- 下級モンスター+手札・フィールドの最上級モンスター
- 手札・フィールドの最上級モンスター × 2
- 下級モンスター × 2
フュージョン召喚できるモンスターは以下の3種です。
基本的には《栄華夢中のシルビクス》のフュージョン召喚を目指し、状況に合わせて《現夢中のシルビクス》のフュージョン召喚を行なっていきます。
フュージョン召喚には3通りの組み合わせがありますが、《栄華夢中のシルビクス》は①②の組み合わせでフュージョン召喚できるため、他の2体よりもフュージョン召喚しやすくなっています。
《夢中のラーヴァ》は攻撃力強化を行えるモンスターですが、単体での攻撃力は実質1600とそれほど高くなく、①②の組み合わせでフュージョン召喚できない場合の妥協案といったイメージです。
《夢中のシルビクス》を素材にしないことで、次のターンのフュージョン召喚に繋げる事ができるため、相手に《夢中のシルビクス》の処理を要求することができます。
また手札のモンスターを素材にすることにより、この展開を計4枚のカードで行えるのもポイントです。
効果発動済みのモンスターを素材にすれば無駄のない展開ができるわ
フュージョンモンスターの特徴
《栄華夢中のシルビクス》 昆虫族への破壊耐性の付与と、相手フィールドを巻き込んだフュージョン召喚への耐性付与により、盤面を強固にする事ができます。 フュージョン召喚に対する耐性からミラーマッチにも強いのがポイントです。 | |
《現夢中のシルビクス》 自身の攻撃力を3500にしながら、相手のカード1枚をデッキバウンスにより除去する事ができ、攻めるために強く使う事ができます。 また墓地のモンスターをデッキに戻す発動条件によりデッキの再構築を行えるのもポイントです。 フュージョン召喚したターンにしか効果を発動できませんが、盤面に維持できた次のターンはフュージョン素材にする事ができるため、《栄華夢中のシルビクス》や2体目の《現夢中のシルビクス》の素材として活用もできます。 | |
《夢中のラーヴァ》 攻撃力強化により実質攻撃力1600になるモンスターです。 他の昆虫族の攻撃力も強化できるため、後述する《ポリゴン・バタフライ》とも相性が良くなっています。 また魔法・罠カードにバウンス耐性を付与できることから、《アルケミカライズ・オーブ》のようなエクストラデッキから特殊召喚される魔法・罠除去モンスターに対する対策になるのもポイントです。 |
最上級モンスターを絡めて《現夢中のシルビクス》《栄華夢中のシルビクス》を展開する動きが強いため、《夢中のシルビクス》を引けているかがかなり重要になります。
墓地の《夢中のシルビクス》は《夢中のカラブローネ》の効果で回収する事ができるため、2枚目以降の《夢中のシルビクス》はデッキに戻すなどして、デッキ内の《夢中のシルビクス》の枚数を調整しながら戦うのがポイントです。
《夢中のカラブローネ》 3枚分の墓地肥やしを行いながら《夢中のシルビクス》を墓地から回収できるモンスター。 自身の攻撃力も3000まで強化する事ができるため、アタッカーとして使えるのもポイントです。 このカードもデッキに戻したいカードですが、実質的なリリース軽減になる《代打バッター》や《死者蘇生》の有無によって強さが変わるためデッキに戻す際は要注意です。 |
展開の要になる《夢中のシルビクス》ですが、これだけに依存していては戦えないため、相手の昆虫族を利用するカードも駆使して別のアプローチで展開に繋げていきます。
②:相手モンスターを除去しながら展開
相手モンスターの種族を昆虫族に変更するのが特徴の【夢中】ですが、これを起点に以下の動きに繋げていきます。
- フュージョン召喚の素材にして除去
- コントロールを奪って除去
- 破壊して除去
これらの内、①②は自分モンスターの展開に繋げられるため、特に重要となっています。
フュージョン召喚の素材にして除去
《夢中の抱擁》
通常魔法
【条件】なし
【効果】自分フィールドの表側表示モンスター1体と、自分または相手フィールドの表側表示モンスター(レベル9以下)1体を素材として墓地へ送り、モンスター(光属性/昆虫族)をフュージョン召喚する。このターン、自分はモンスター(昆虫族以外)で攻撃できない。
昆虫族にした相手モンスターと自分のモンスターを素材にしてフュージョン召喚を行う事ができるカードです。
フュージョン素材にする効果から破壊耐性・バウンス耐性の影響を受けずに除去できるのがポイントで、レベル9以下であればほとんどのモンスターを除去することができます。
素材にするモンスターによってフュージョン召喚できるモンスターは異なりますが、相手の最上級モンスターの除去に繋げられる《栄華夢中のシルビクス》《現夢中のシルビクス》のフュージョン召喚を目指すのが理想です。
《現夢中のシルビクス》をフュージョン召喚できればさらに1枚の除去に繋げられるのが強いわね!
コントロールを奪って除去
《夢中のランビリス》
効果モンスター
レベル2 / 光属性 / 昆虫族 / 攻800 / 守1200
【条件】相手フィールドにモンスターが2体以上いる場合、自分フィールドの表側表示のこのカードと手札のモンスター1体を墓地へ送って発動できる。。
【効果】この効果の条件で手札から墓地へ送ったモンスターと同じ種族を持つ相手フィールドの表側表示モンスター(レベル5〜8)1体を選んでそのコントロールを得る(自分フィールドに移動し、自分が使用する)。
相手モンスターを昆虫族に変更する事で、相手の種族にとらわれる事なく、相手モンスターのコントロールを奪う事ができます。
相手フィールドによって強さが大きく変わりますが、最上級モンスターのコントロール奪取を行う事ができれば、除去と展開を同時に行う手段になります。
下級モンスターのコントロール奪取は行えず、相手フィールドにモンスターが2体以上いなければ効果を発動できない点は要注意です。
効果の性質的に【ベリーフレッシュ】のような下級モンスターを軸にするデッキ相手には腐ってしまうのね
破壊して除去
《翅甲王ディナス・ドルクス》
効果モンスター
レベル8 / 地属性 / 昆虫族 / 攻2500 / 守1700
【条件】自分の墓地のモンスター3体をデッキに戻して発動できる。
【効果】相手フィールドの表側表示モンスター(レベル5〜8/昆虫族)1体を選んで破壊する。このターン、自分はモンスター(昆虫族以外)では攻撃できない。
相手モンスターを昆虫族に変更する事で、相手の種族にとらわれる事なく、相手モンスターを破壊する事ができます。
コストとなるモンスターにレベルや種族の指定がないのもポイントで、《現夢中のシルビクス》ではデッキに戻せないレベル9・フュージョンモンスターやレジェンドモンスターもデッキに戻すことができます。
2枚目以降の《翅甲王ディナス・ドルクス》をデッキに戻す事もできるため、《現夢中のシルビクス》と合わせてデッキ再構築を途切れさせずに行いやすくなっています。
《夢中のランビリス》と同じく対象モンスターのレベルの範囲が若干狭い点は要注意です。
ちなみに《翅甲王ディナス・ドルクス》を含めて最上級モンスターを計9枚採用していますが、以下のように手札から効率よく処理する手段も多いため、意外と重くありません。
- 《夢中のシルビクス》の効果によるフュージョン素材
- 《夢中のランビリス》の手札コスト
- 《代打バッター》による手札からの特殊召喚
《代打バッター》 実質的なリリース軽減モンスター。 主に《夢中のカラブローネ》や《翅甲王ディナス・ドルクス》のために使用します。 自分の手札のモンスターを守備表示で展開する手段にもなるため、手札にかさばった下級モンスターを処理しながら《夢中のパピヨン》の効果を適用するために使用できるのもポイントです。 |
最上級モンスターの採用枚数を減らしすぎると逆に《現夢中のシルビクス》《栄華夢中のシルビクス》のフュージョン召喚が行いにくくなります
相手モンスターを昆虫族に変更できるカード
相手モンスターを昆虫族に変更するためには以下のモンスターを使用します。
相手の昆虫族を利用するカードの発動に繋げられるだけでなく、フィールドのモンスターの種族を参照するカードの妨害になる点もポイントです。
《夢中のドローネ》 2枚分の墓地肥やしを行いながら、相手モンスターの種族を昆虫族に変更できるモンスター。 光属性・昆虫族の中では、数少ない墓地肥やしを行えるモンスターで、この墓地肥やしによって《夢中のシルビクス》をいかに早く墓地に落とせるかが重要になってきます。 | |
《夢中のシュエル》 相手モンスターの表示形式を変更しながら、相手モンスターの種族を昆虫族に変更できるモンスター。 この効果のおかげで相手フィールドにセットモンスターしか存在しない場合でも、《夢中のパピヨン》によるドロー効果や相手の昆虫族を利用するカードの発動に繋げられるようになります。 またシンプルに戦闘サポートのためにも使えるのがポイントです。 | |
《夢中のパピヨン》 相手モンスターの種族を昆虫族に変更しながら、状況によって1枚ドローできるモンスター。 他の「夢中」モンスターとは異なり種族変更効果がメイン効果であるため、相手フィールドに昆虫族以外のモンスターが存在しない場合は効果を発動する事ができません。 そのため他の「夢中」モンスターの種族変更効果は適用しないなどのプレイングも重要になります。 |
他のカードの採用理由
《ポリゴンバタフライ》 レベル8以下の昆虫族に攻撃力強化とモンスターへの2回攻撃効果を付与できるモンスターです。 この効果により相手に戦闘ダメージを与えやすくなり、攻撃力強化効果を持つ《夢中のカラブローネ》や《夢中のラーヴァ》も活かしやすくなります。 また光属性・昆虫族である点もポイントで、《夢中のシルビクス》のリリース軽減効果にも貢献してくれています。 | |
《放浪の勇者 フリード》 相手モンスターを除去する手段になり、相手に戦闘ダメージを与えやすくしてくれます。 コストとなるモンスターは光属性であるため、フュージョンモンスターもデッキに戻せるのもポイントです。 またレジェンドモンスターではありますが、《翅甲王ディナス・ドルクス》でデッキに戻すことで何度も再利用することもできます。 | |
《コーリング・ダーク・メテオ》 相手の魔法・罠カードを破壊するためのカードです。 こちらもフュージョンモンスターをデッキに戻す手段になります。 | |
《昂光の呪縛》 後攻1ターン目ではデッキを回転させるカードになり、それ以外では相手の召喚反応系の罠カードに対するメタカードになります。 表示形式の変更は《夢中の抱擁》と相性が良く、無理矢理表側表示にすることで昆虫族へ変更、フュージョン召喚へと繋げられるようになります。 | |
《コスモス姫のお戯れ》 手札のカードを相手フィールドのカードの破壊に変換する事ができます。 | |
《死者蘇生》 墓地のモンスターの特殊召喚により展開力を底上げしてくれるカードです。 《夢中のカラブローネ》とは特に相性が良く、状況によっては《夢中のシルビクス》回収からフュージョン召喚に繋げることで最上級モンスター3体の展開に繋げることも可能です。 | |
《狡猾な落とし穴》 フィールドのモンスター2体を破壊する召喚反応系罠カード。 必ずモンスター2体を破壊しなければいけない点は要注意です。 |
他の【夢中】カードの不採用理由
《夢中のマリキータ》
効果モンスター
レベル2 / 光属性 / 昆虫族 / 攻800 / 守1200
【条件】自分フィールドにこのカード以外の表側表示モンスター(光属性/昆虫族)がいる場合、攻撃表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
【効果】相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力・守備力をターン終了時まで500ダウンする。その後、相手フィールドの表側表示モンスター1体を選んでその種族を次の相手ターン終了時まで昆虫族にできる。
他の「夢中」下級モンスターと同じく、昆虫族への種族変更+αの効果を持つモンスターです。
しかし【夢中】は昆虫族に変更したモンスターを除去・コントロール奪取するため、攻撃力・守備力のダウンを活かしきれない事が多いと感じました。
またコントロール奪取とも相性が悪く、相手フィールドに表側表示モンスターが1体しかいない場合、攻撃力を下げた状態でコントロールを奪うことになってしまいます。
以上のことから今回は採用を見送りました。
相手の種族を変更する効果をもっと取り入れたいという方は採用してもいいかもしれません。
《夢中の再誕》
通常罠
【条件】自分の墓地にモンスター(昆虫族)がいる場合、相手ターンに相手がドローした時、または相手ターンに相手がモンスターを召喚・特殊召喚した時に発動できる。
【効果】自分フィールドの表側表示モンスター1体と、自分または相手フィールドの表側表示モンスター(レベル9以下)1体を素材として墓地へ送り、モンスター(光属性/昆虫族)をフュージョン召喚する。
《夢中の抱擁》の罠カード版といった感じで、相手ターンにフュージョン召喚を行う事ができます。
しかし現状相手ターンに相手モンスターを昆虫族に変更するカードはなく、前のターンに「夢中」モンスターで昆虫族に変更しておく必要があります。
そうすると必然的に相手モンスターを残すような戦い方が求められますし、相手がドローによって得たリソースは1枚も減りません。
以上のことから今回は採用を見送りました。
2月8日(土)に発売される「悠久のギャラクティカ」に「相手のモンスターの種族を昆虫族に変更する永続効果」を持つ《昆遁忍虫 変妖魔笛のアゲハ》の収録が決定しているため、そちらと併用する場合は採用してもいいかもしれません。
ちなみにミラーマッチではかなり強く、種族変更に頼らず相手の展開を妨害する事ができます。
現状だとサイドデッキ向きですね
《夢中の甘言》
通常魔法
【条件】なし
【効果】自分のデッキの上からカード2枚を墓地へ送る。その後、その中からモンスター(光属性/昆虫族)、「夢中の抱擁」、「夢中の再誕」のいずれか1枚を選んで手札に加える事ができる。
墓地肥やしを行いつつ、状況によっては《夢中の甘言》発動による損失を補う事ができます。
今回紹介した構築の場合、以下の確率になります。
82.4〜90.7%
デッキ内の対応カードの枚数別確率
- 初手対応カード4枚/デッキ内残り20枚(82.4%)
- 初手対応カードなし/デッキ内残り24枚(90.7%)
デッキの条件
- デッキ枚数40枚
- 対応カード24枚採用
割と確率は高い方なんですが、類似した効果を持つカードと比較し魔法カードという点が問題で、墓地回収効果を適用できなかった場合、決して多くない2枚の墓地肥やしを行っただけになってしまいます。
コスパ良く展開することが当たり前になってきた環境で、この損失は大きな痛手となってしまうため、今回は採用を見送りました。
優秀な光属性・昆虫族が増え、初手最低値も90%を超える構築なら採用してもいいかもしれません。
まとめ
今回は【夢中】デッキのデッキレシピを解説しました。
要点をまとめると以下の通りです。
- 《夢中のシルビクス》を駆使して最上級モンスターを複数体展開する
- 相手モンスターを除去しながら展開に繋げる
展開のカギは《夢中のシルビクス》!デッキ内の《夢中のシルビクス》の枚数を調整しながら戦うのがポイントです!
「悠久のギャラクティカ」にて強化も確定していますし、気になる方は構築してみてください!