全てのカードに描かれるイラストには、そのカードを形作る背景ストーリーが存在します。
大天使の力を手に入れる事ができるという聖域を探し求めながらも、邪悪な魔族の誘惑され続ける日々を送る戦士《ゼラの戦士》。
今回はそんな《ゼラの戦士》の背景ストーリーに焦点を当てて考察しました。
彼のストーリーを追体験できるように考察しているので、皆さんも彼になりきって読み進めてみてください!
この記事で紹介する設定はカードのイラスト・フレーバーテキストなど、公式の情報から推測・考察したものであることをご了承ください。

様々な試練が待ち受ける《ゼラの戦士》!
《ゼラの戦士》となったあなたは大天使の力を手に入れられるのか!?
目次
《天空の聖域》を目指し旅をする孤独の戦士の物語
Chapter1「ゼラの戦士」

戦士としての力を付けるために一人で孤独に旅をする戦士《ゼラの戦士》。
二つの頭を持つ竜との死闘の末、彼はある魔剣を手に入れた。


彼の手に入れた魔剣には”邪悪なる魔族”が封印されており、彼がこの魔剣に接触したことで彼の中に一つの思念が流れ込んできたのだ。

「力が欲しいか、ならば私が授けてやろう」
魔剣を手に入れた日から時折脳に語りかけてくるこの言葉に彼は日々悩まされていた。
この言葉に身を委ねて良いのか…
そう考える度に彼は頭痛に襲われ「決して身を委ねてはいけない」と彼を引き止めるように一つのイメージが頭をよぎります。

見たことも経験したこともない光景。
玉座のような仰々しい椅子に座る彼は、今まさに力を得ることと引き換えに悪魔のような恐ろしい姿に変貌しようとしている。
「力を受け取ってはならない」
彼は強くそう思った。
しかし彼の決意とは裏腹に、思念は日々呪いのように語りかけてきます。
そんな思念を取り除くために《ゼラの戦士》は魔剣の情報を集め始めました。
そこで《ゼラの戦士》は、ふと立ち寄った書物庫にてある一つの情報に辿り着きます。
神に仕えし天使の力、その力には浄化の力がある。
中でも「大天使の力」は特に強い力を持つと…。

《ゼラの戦士》はこの力を手に入れれば、思念を浄化できるかもしれないと考えた。
「大天使の力」はどうやら《天空の聖域》と呼ばれる天使たちの住む聖域で手に入ると言う…。

この物語は、邪悪なる魔族の思念を取り払うべく《天空の聖域》を目指し旅をする一人の戦士の物語だ。

Chapter2「思念の正体」

唯一手に入れた「大天使の力」の情報。
しかし、いくら情報収集しても魔剣のことを知る者はいませんでした。
そんな中一人の人物に出会います。

《ゼラの戦士》が出会ったのは闇魔界の住人である《ダークビショップデーモン》でした。
いつものようにダメもとで魔剣のことを尋ねる《ゼラの戦士》。
なんと《ダークビショップデーモン》は魔剣のことを知っているようでした。
彼曰く《ゼラの戦士》に語りかける思念の正体は《ゼラ》と言う名の「邪悪なる魔族」のもので、魔剣に触れることで封印されていた思念が解放され接触した者に流れ込んでくるのだと言います。
ようやく判明した思念の正体。
詳しく状況を説明する彼を前に、ようやく魔剣の情報を知る者と出会えたと《ゼラの戦士》は少し安堵しました。
そんな彼の心につけ込むように《ダークビショップデーモン》は一つの提案をします。
闇の力を使えば「ゼラの思念」を取り除いてやることはできる。
だが、タダではできない。
取り除いてやる代わりに私たちデーモンに「ゼラの思念」を譲ってほしい。
《ゼラの戦士》にとって「ゼラの思念」は不必要な存在。
願ってもない提案だった。
しかし「ゼラの思念」を取り除くには闇の力を使う必要があり、デーモンたちの根城《万魔殿-悪魔の巣窟-》まで一緒に来てもらう必要があると…。
あまりに簡単に事が進むことに《ゼラの戦士》は少し不信感を抱いていた。
しかしこれが「ゼラの思念」を取り除く唯一の手段かもしれない。
《ゼラの戦士》は悩んだ。
あなたならどうする…?
「ゼラの思念を取り除けるなら…」
「やはり怪しい」
…
…
Chapter3-1「万魔殿-悪魔の巣窟-」

少し不安はあったが《ゼラの戦士》は《ダークビショップデーモン》の提案を受け入れ《万魔殿-悪魔の巣窟-》に行く事にした。
雷鳴が鳴り止まないこの場所は万単位のデーモンたちの拠点となっており、辺りは濃霧に包まれている。
中央に位置する《生贄の祭壇》にて闇の力を行使することにより「ゼラの思念」を取り除けるようで、それを行うには大きな闇の力が必要であるようでした。
そのためにはデーモンたちも休息が必要であるため、思念を取り除くのは明日の決行となった。
休息のために《ゼラの戦士》も部屋に案内されたが、まだデーモンを完全に信頼していない彼は眠ることなく壁にもたれ掛かり一息ついていた。
するとデーモンたちの会話の中で気になる会話が聞こえてきた。
「ビショップが連れてきた戦士は、神に対抗するための力になるらしいぜ」
「そのためには奴を悪魔へ堕落させる必要があるらしい」
悪魔への堕落…
デーモンたちの会話に疑問点もあったが、利用されていることを確信した《ゼラの戦士》は《万魔殿-悪魔の巣窟-》を抜け出すことにした。
…
そんな彼の前に《万魔殿-悪魔の巣窟-》を治める《ジェノサイドキングデーモン》が立ち塞がった。

突如として始まる《ジェノサイドキングデーモン》との戦い。
《ゼラの戦士》は全力で立ち向かったが、力の差は歴然。
周りにはデーモンの兵士たちも集まってきており、《ゼラの戦士》は窮地に立たされていた。



あなたならどうする…?
「もう無理だ…」
「奴らに利用されるのは嫌だ」
…
…
Chapter4-1「堕落」

「もう無理だ…」
圧倒的な力の差に屈した《ゼラの戦士》はデーモンたちに身を委ねた。
…
いよいよ《生贄の祭壇》にて悪魔化の儀式が行われる。
響き渡る悲痛な叫び…
それが鳴り止むと、そこには悪魔へと姿を変えた《ゼラの戦士》が立っていた。

人間として姿は完全に失っており、その姿はどことなく《ゼラ》に類似していた。
これから彼は神に対抗する力としてデーモンたちに使役されることとなるのだ…。
END
…
…
Chapter4-2「戦いの果て」

「奴らに利用されるのは嫌だ」
《ゼラの戦士》は諦めずに戦った…。
しかし力は及ばなかった。
気がつくと彼はある場所にいた。
…

ここは死した魂、そして肉体が不死の瘴気に当てられゾンビとして蘇る場所《アンデットワールド》。
諦めずにデーモンたちと戦った《ゼラの戦士》だったが、最後には息絶え不死の瘴気に当てられこの場所に辿り着いたのだ。

「ゔゔ…ゔ………」
その姿に生前の面影はあるものの、もう彼に自我はない…。
いくら倒れても立ち上がり戦いを挑むその姿からは、デーモンたちとの戦いを諦めなかった彼の姿が重なる…。
まだ彼はデーモンたちとの戦いを諦めていないのかもしれない。
END
…
…
Chapter3-2「大天使の力」

《ダークビショップデーモン》の提案を拒み別の道を探すことを決めた《ゼラの戦士》。
確実性はないが希望がある「大天使の力」を手に入れるため、引き続き《天空の聖域》を目指す事にした。
…
あれからどれほどの月日が経ったのだろう…。
いくら探しても《天空の聖域》は見つからない。
魔剣の情報を知る者もあれ以来現れていない…。
こんな絶望的な状況下でも「ゼラの思念」は相変わらず語りかけてくるのだ。

「もう諦めたらどうだ…」
「私ならお前の求める力を与える事ができる」
耐えられない…。
一体どうすればいいんだ。
悩む《ゼラの戦士》だったが彼は気づいた。
「《ダークビショップデーモン》は「ゼラの思念」が流れ込んでいると言っていたが、この魔剣を手放せばいいのではないのか…?」
誰もが思いつくようなありきたりな発想。
今まで情報収集のために手放すと言う選択肢を勝手に排除していたが、もしかしたらこれで解決するかもしれない。
あなたならどうする…?
「試す価値はある」
「手掛かりになるものは手元に置いておいた方がいい」
…
…
Chapter4-3「思念からの解放」

《ゼラの戦士》は魔剣を手放した。
するとどうだろうか。
毎日のように語りかけてきた「ゼラの思念」の声が聞こえなくなったのだ。
なぜもっと早く気づけなかったのだろうか。
苦しい日々から解放され、彼は久しぶりに心が躍った。
これで《天空の聖域》を探す理由は無くなった。
だが「大天使の力」は強くなるきっかけになるかもしれない。
彼は力を求めて引き続き《天空の聖域》を探す事にした。
…
…
あれから数十年の月日が経った…。
一向に《天空の聖域》は見つかっていないが、彼は新たな武器を手に強靭な戦士へと成長していた。
Chapter5-1「ゼラの放浪者」

《天空の聖域》は見つからない。
あれは架空の存在だったのか…。
それとも今はもう失われてしまった場所なのか…。
諦めようとする彼に”また”あの感覚が襲ってきた。

「気分はどうだ…戦士よ」
消えたはずの「ゼラの思念」だ…
魔剣を手放したことで消えたと思っていた「ゼラの思念」だが、ただ身を潜めていただけだったのだ。
またあの日々が始まってしまう…。
《ゼラの戦士》は絶望した。
いくら探しても《天空の聖域》は見つからない…。
手がかりとなる魔剣も手放してしまった。
私はどうすればよかったんだ…。

「簡単な話だ…私に任せればいい」
《ゼラの戦士》に抵抗する気力はもう残っていない…。
彼は「ゼラの思念」に身を委ねた。
Chapter6-1「邪悪なる魔族ゼラ」

朦朧とする意識の中、彼の前に《闇魔界の凶鬼》が現れた。

どうやら《邪悪なる魔族ゼラ》に使えているようで、彼の誘いの元、《ゼラの戦士》は闇魔界へと連れて来られた。
…

気がつくと《ゼラの戦士》は玉座のような仰々しい椅子に座っていた。
過去にイメージの中で見た光景。
これからどうなってしまうのか、そんなことはもうわかっている…。

《ゼラの戦士》の肉体は完全に《ゼラ》へと変貌した。
力が溢れてくるのがわかる。
この姿こそが力を得た代償なのだ…。
《ゼラ》への変貌が完了すると、目の前におどろおどろしい煙が立ち込めはじめた。

煙の中から出現したのは、自分とは少し違う姿の《ゼラ》だった。

「ようやくこの世界に来る事ができた…」
「気分はどうだ…戦士よ」
意識が朦朧としていく。
《ゼラ》に意識を乗っ取られる…。
肉体が完全に《ゼラ》となってしまった《ゼラの戦士》に抵抗するすべはなかった。
END
…
…
Chapter4-4「希望の光」

《ダークビショップデーモン》は「ゼラの思念」が流れ込んでいると言っていた。
ではやはり手放すことに意味はないだろう…。
ふと我に返った《ゼラの戦士》は魔剣を手放すことをやめ、引き続き《天空の聖域》を探す事にした。
…
…
あれから数十年…。
《天空の聖域》は見つからない。
あれは架空の存在だったのか…。
それとも今はもう失われてしまった場所なのか…。
諦めかけていた矢先だった。

曇り空の中、局所的に光が射し込んでいる。
その光に導かれるように天使たちが空を登っているのだ。
気がつけば《ゼラの戦士》は天使たちを必死に追いかけた。
空を飛べない《ゼラの戦士》は地上から天使たちを見上げられる場所までしか追いかける事ができなかった。
しかし天使たちの先に神々しく光る島のような存在が見えた。

あれがきっと《天空の聖域》なんだ…。
ここ数十年、存在すら認知できなかった《天空の聖域》だが、ようやく見つけたかもしれない。
一筋の希望の光に、彼の心は躍った。
よく観察すると《天空の聖域》は山の頂上付近を浮遊しているようで、彼だけでも自力で到達できそうだ。
《ゼラの戦士》は早速《天空の聖域》付近の山を登り始めた。
…
そしてようやく到達したのだ。
Chapter5-2「天空の聖域」




《天空の聖域》には様々な天使たちが住んでおり、聖域には天使たちの美しい歌声が響きます。
《ゼラの戦士》は「大天使の力」を得るために、《天空の聖域》内部へと進んだ。
そこで出会ったのが力天使の《デュナミス・ヴァルキリア》です。

天使には9つの階級があり、力天使は第5階級に位置する中級天使です。
《ゼラの戦士》はこれまでの経緯を詳しく説明し、彼女に助けを求めました。
幾度となく続く誘惑を乗り越え到達した《ゼラの戦士》讃え彼女はある提案をしました。
「あなたが正しい行いをできるのであれば「大天使の力」を授けましょう」
もちろん《ゼラの戦士》は彼女の提案を受け入れます。
正しい行いができることを証明するため、《ゼラの戦士》の《天空の聖域》での修行の日々が始まりました…。
Chapter6-2「大天使ゼラート」

修行の末、見事「大天使の力」を授かった《ゼラの戦士》。
「大天使の力」の影響により装備していた鎧は輝く大きな翼へと変化し、空を自由に飛び回れる力を手にしました。
今では、神の力により自身に似た姿を持つ天使を迎え、《天空の聖域》の天使《大天使ゼラート》として任務をこなしています。

そんな中”あの声”が聞こえてきた…。

「気分はどうだ…戦士よ」
《天空の聖域》に来てからめっきり聞かなくなっていた「ゼラの思念」からの声。
「大天使の力」を得ても尚、存在する「ゼラの思念」に《大天使ゼラート》は絶望した。
「何も変わってないじゃないか」
一体、いつまで苦しめばいいのか。
《大天使ゼラート》の中に、怒りと悲しみが溢れます。
Chapter7「堕天」

気がつくと《大天使ゼラート》は《天空の聖域》を飛び出していました。
「またあの日々が始まってしまう…」
彼の負の感情に同調するようにその翼からは輝きが失われていきます。
負の感情に支配された彼は「大天使の力」を行使し破壊の限りを尽くしました。

…
《大天使ゼラート》による襲撃は一日中続き、《天空の聖域》諸共破壊し尽くしました。

そして崩壊した聖域には姿を変えた《大天使ゼラート》が立っています。

「大天使の力」を行使する度に蝕まれる心。
彼の精神は既に崩壊しており自我も失っていました。
破壊の限りを尽くした《堕天使ゼラート》は再び空に飛び立ちそのまま姿を消しました。
END
…
…
物語の全容



追体験お疲れ様でした。
《ゼラの戦士》としての旅はいかがだったでしょうか?
様々なルートが存在する《ゼラの戦士》。
特別にあなたが体験できなかった他の未来もお見せします。
《ゼラの戦士》には現在4つのルートが存在します。
ルート一覧
《大天使ゼラート》も最終的には堕天してしまうのでハッピーエンドルートは存在せず、どのルートに辿り着いても自我を失う未来が待っています。
《デビルマゼラ》ルート

「ゼラの思念」を取り除くために協力を仰いだデーモンたちに騙される形で到達する姿。
《生贄の祭壇》にて闇の力で堕落させられ、この姿に到達します。
人間の姿は完全に失っており、その姿は《ゼラ》に類似する部分もあり皮肉な結末を迎えました。
《アルグールマゼラ》ルート

「ゼラの思念」を取り除くために協力を仰いだデーモンたちに騙される形で到達する姿。
《デビルマゼラ》ルートとは異なり最後まで諦めずに戦い続けた結果、肉体を利用されることはなかったが不死の瘴気にあてられゾンビと化しました。
戦いを諦めない執念のみが残っており、何度倒れても永遠に立ち上がり戦う姿にはどこか哀愁を感じます。
《ゼラ》ルート

《天空の聖域》も見つからず「ゼラの思念」からも解放されない。
そんな絶望的状況に心が折れ、「ゼラの思念」の誘惑に乗ってしまい到達した姿。
「ゼラの思念」の大元である《邪悪なる魔族ゼラ》と類似した姿へと変貌し、意識は《ゼラ》に乗っ取られています。
《大天使ゼラート》ルート


《天空の聖域》も見つからず「ゼラの思念」からも解放されない。
そんな絶望的状況でも諦めない中、遂に《天空の聖域》に到達し「大天使の力」を手に入れた姿。
しかし「ゼラの思念」から解放されることはなく、最終的に負の感情に呑まれ《堕天使ゼラート》へと堕天してしまった。
「大天使の力」を行使する度に心は蝕まれ、今では精神崩壊を起こしています。
【ゼラの戦士】ストーリー考察
今回、なぜこのような解釈になったのか。
《ゼラの戦士》の設定や物語について一つずつ紐解いていきます。
《ゼラの戦士》の設定

通常モンスター
レベル4 / 地属性 / 戦士族 / 攻1600 / 守1600
大天使の力を手に入れる事ができるという聖域を探し求める戦士。邪悪な魔族からの誘惑から逃れるため、孤独な闘いの日々を送る。
《邪悪なる魔族ゼラ》の存在やカード名、イラスト、フレーバーテキストから、《ゼラの戦士》は《ゼラ》と深い関わりがあることが推測できます。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
未来の姿と位置付けられているモンスターの容姿が、それぞれかなり異なるため、様々な姿に分岐していく物語として考察しました。
そして《ゼラの戦士》が成長した姿として《ゼラの放浪者》が存在しています。
《ゼラの剣》を手放しているものの、効果により《ゼラの儀式》を墓地回収する事ができ《ゼラ》へ変貌できるようなカードデザインになっています。
《ゼラの放浪者》
![]() | 効果モンスター レベル8/地属性/戦士族/攻2300/守1600 このカードは元々の攻撃力が1600の通常モンスター1体をリリースして攻撃表示でアドバンス召喚できる。 【条件】なし 【効果】自分の墓地の「ゼラの儀式」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする。 |
この特徴から「《ゼラの剣》を手放しても《ゼラ》に変貌する可能性は消えない」と考察しました。
そのため「「ゼラの思念」が流れ込んでいる」という設定にすることでこれを表現しています。
また「ゼラの思念」に苦しむ姿は誰にも共感されず、解決の糸口もなかなか見つかりません。
《ゼラの戦士》に上記の設定を加えることで、フレーバーテキストの「孤独な闘いの日々を送る」という状況を再現しました。
《ゼラの戦士》の結末
![]() | ![]() | ![]() |
![]() | ![]() | ![]() |
《ゼラの戦士》の最終形態として描かれるモンスターたちは全て《ゼラ》と同じレベル・攻撃力・守備力であり、最終形態であることを示唆するようなデザインをしています。
《デビルマゼラ》


《デビルマゼラ》の背景には《万魔殿-悪魔の巣窟-》が描かれており、《万魔殿-悪魔の巣窟-》は「デーモン」たちの住処という設定があります。
イラストには《ジェノサイドキングデーモン》などの「チェスデーモン」と呼ばれる「デーモン」たちが描かれているため、その中で最も博識で賢そうな《ダークビショップデーモン》を《ゼラの戦士》を誘惑する役割としてあてがいました。
ちなみに《デビルマゼラ》は《ゼラ》と同じ悪魔族であることからか見た目が最も《ゼラ》に近く、以下のようにいくつかの共通点があります。
- 胸元の瞳は《邪悪なる魔族ゼラ》の胸元の瞳、《ゼラの儀式》に描かれる椅子の瞳に類似している
- 肩のドクロは《ゼラ》の股間のドクロと類似している



《デビルマゼラ》へは「デーモン」たちによって変貌していますが、こういった点を見ると「ゼラの思念」の影響が大きいことがよく分かります。
《アルグールマゼラ》


《アルグールマゼラ》の背景には《アンデットワールド》にも描かれている《精気を吸う骨の塔》が描かれており、その他の特徴から《アンデットワールド》にいることが分かります。
また地属性であることから《ゼラの戦士》の状態からゾンビ化したことが読み取れます。
《アルグールマゼラ》の”アルグール”はゾンビと同一視されることもある食屍鬼という意味の”グール”と、アラビア語で悪魔という意味の”アルグール”からのダブルネーミングとなっています。
悪魔を英語に変換し当てはめると《デビルマゼラ》となるため、《万魔殿-悪魔の巣窟-》を分岐点と考察しストーリーに当てはめました。
《ゼラの戦士》の頃と比較すると、形状こそ似ているものの別の武器を持っていることが分かります。
また効果は条件を満たすことで何度も蘇る事ができる効果となっていることから「いくら倒れても立ち上がり戦いを挑む」という描写になりました。
レベル8 / 地属性 / アンデット族 / 攻2800 / 守2300
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドのアンデット族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに手札・墓地のこのカードを除外できる。
②:このカードが手札・墓地から除外された場合に発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。その後、このカードのレベルを1つ下げる事ができる。
蘇った際に自身のレベルを下げる事ができ、“《ゼラの儀式》の素材としてレベルが足りない”=”「ゼラの思念」から解放された”事が読み取れるようになっています。
《大天使ゼラート》とその後


《大天使ゼラート》の背景には《天空の聖域》が描かれており、《ゼラの戦士》のフレーバーテキストにある「聖域」が《天空の聖域》であることが分かります。
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《大天使ゼラート》となってから《ゼラの天使》《堕天使ゼラート》へと堕天していきましたが、これは角の形状の変化から、このような時系列と判断し考察しました。
《大天使ゼラート》は《天空の聖域》が存在する時のみ「相手フィールドのモンスター全てを破壊する効果」を発揮する事ができ、階級的には下級天使であるにも関わらず凄まじい力を持っています。
《堕天使ゼラート》も「相手フィールドのモンスター全てを破壊する効果」を持っており、堕天時には《天空の聖域》に存在していたため、上記の力を行使することにより《天空の聖域》を破壊するという描写に繋げました。
ちなみに《堕天使ゼラート》は効果発動後に破壊されてしまいます。
精神崩壊はこの効果を反映させました。
また《堕天使ゼラート》の背景には《天空の聖域》と類似する建造物が建っています。
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暗い空も含めると《失われた聖域》を彷彿させるため、ストーリー中では堕天ついでに《天空の聖域》を破壊しています。
ちなみに《天空の聖域》には、”一度崩壊した後《マスター・ヒュペリオン》により再建された”という設定があり、《堕天使ゼラート》の襲撃の被害に遭ったモンスターも再建後に新たな姿で復活しています。
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《天空の使者 ゼラディアス》の存在

《ゼラの戦士》が《大天使ゼラート》になる過程として考察されることの多い《天空の使者 ゼラディアス》ですが、衣装や角の形状が変化の過程と辻褄が合いません。
また《ゼラ》や天使族は自身に酷似した存在を使役する傾向にあります。
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どちらも《大天使ゼラート》と同じ世界線に存在しているため、《大天使ゼラート》も同じ考えを持つと考察しました。
上記の理由から、《天空の使者 ゼラディアス》は《大天使ゼラート》が使役する天使と位置付けています。
《邪悪なる魔族ゼラ》の存在


同一個体とも認識できる《邪悪なる魔族ゼラ》と《ゼラ》ですがステータスは全く同じであり、《邪悪なる魔族ゼラ》は「《ゼラ》を墓地から特殊召喚できる効果」を持っています。
リチュアル / 効果モンスター
レベル8 / 闇属性 / 悪魔族 / 攻2800 / 守2300
【条件】このカードをリチュアル召喚した自分メインフェイズに、自分の墓地に通常モンスター(攻撃力1600)がいる場合に発動できる。
【効果】効果モンスター以外の自分の墓地のモンスター(悪魔族)1体を選び、自分フィールドに表側表示で特殊召喚できる。
また効果の発動には《ゼラの戦士》を必要とするデザインになっています。
そのため《ゼラ》は《邪悪なる魔族ゼラ》が生み出した別個体と考察しました。
ちなみに《ゼラの探索》は《ゼラの戦士》が《天空の聖域》を探す場面を描写していますが、効果は《ゼラの戦士》そのものを探す効果となっています。
《ゼラの探索》
![]() | 通常魔法 【条件】なし 【効果】自分のデッキの上からカード2枚を墓地へ送る。その後、自分の墓地の通常モンスター(レベル4/地属性・闇属性/攻撃力1600)1体または「ゼラの儀式」を選んで手札に加える事ができる。 |
そのため《邪悪なる魔族ゼラ》自身が《ゼラの儀式》のための素材を探す場面を再現している場面と考察できます。

こう解釈するとカード名にも納得ね!
《邪悪なる魔族ゼラ》周辺の存在


《ゼラの戦士》が旅をする道中、重要な場面にて登場していたモンスター。
これらはゲームボーイソフト「遊戯王デュエルモンスターズII 闇界決闘記」に登場する《ゼラの儀式》から来ています。
ゲーム内での《ゼラの儀式》の発動には必要に以下の3体のモンスターが発動条件として指定されており、これらを生贄にすることで《ゼラ》を儀式召喚できるようになっています。



今回の【ゼラ】テーマ化に際し、これらモンスターがリメイクされる形でラッシュデュエルに登場しており、【ゼラ】関連サポートとなっているためストーリーと紐づけました。
《闇魔界の覇王》/《闇魔界の凶鬼》


《闇魔界の覇王》のリメイクとして登場した《闇魔界の凶鬼》。
ステータスやカード名から《闇魔界の覇王》の下位的存在であることが読み取れますが、細部の装飾の違いから同じ種族の別個体であるように考察できます。
また《闇魔界の覇王》のフレーバーテキスト「強大な闇の力を使い、まわりのものを全て破壊する。」から、《闇魔界の凶鬼》も闇の力を使えることが伺えます。

左の手のエフェクトがまさに闇の力よね!
そして《闇魔界の凶鬼》は《ゼラの放浪者》を蘇生する効果を持っていますが、これを闇魔界に《ゼラの戦士》を呼び寄せる存在として考察しました。
上記の効果を再現するため、ストーリー中では《ゼラの戦士》が《ゼラの放浪者》になったタイミングで闇魔界に連れて行っています。
《魔頭を持つ邪竜》/《凶頭を持つ邪竜》


角の部分に違いはありますが同一個体として考察しました。
《闇魔界の凶鬼》《ゼラの剣》をサポートする効果を持っていますが、闇魔界には竜を使役する戦士も存在するため《闇魔界の凶鬼》が使役する竜として解釈しました。
《ゼラの剣》をサルベージする効果から、ストーリー中では《ゼラの剣》を守る存在として描いています。
ちなみに《魔頭を持つ邪竜》の英語名は《Wicked Dragon with the Ersatz Head》とされており、「Ersatz Head(模造の頭)」というカード名から胸部の頭は後天的に手にしたものと解釈できます。
胸部に頭を持つ特徴は《邪悪なる魔族ゼラ》と類似しているため、胸部の頭はもしかすると《ゼラ》の力によって得たのかもしれません。
《ガーゴイル・パワード》


《ガーゴイル・パワード》は《ガーゴイル》が闇の力によって強化された姿です。
《ゼラの戦士》と同じく《邪悪なる魔族ゼラ》の発動条件となるステータスとなっていますが、《ゼラの戦士》とは異なり《邪悪なる魔族ゼラ》の効果で特殊召喚できるモンスターです。
そのため《邪悪なる魔族ゼラ》が《ガーゴイル》に闇の力を与えた存在であり、《ガーゴイル・パワード》を使役する存在として解釈しました。
「遊戯王デュエルモンスターズII 闇界決闘記」以降の「遊戯王DM」シリーズでは、素材指定が緩くなり《ガーゴイル・パワード》のみ素材指定しています。
また見た目もどことなく《ゼラ》に類似しているため、《ゼラの戦士》と同じように《ゼラ》の器となれる存在なのかもしれません。
まとめ
今回は《ゼラの戦士》の背景ストーリーに焦点を当てて考察しました。
今後も【ゼラ】関連カードが登場するたびに内容を更新していくので、気が向いたらまた覗きにきてください!
また今回の【ゼラ】のストーリーはデュエルでも味わうことができます。

興味が湧いてきた方は、そちらでも追体験してみてください!

今後はラッシュデュエルにも《大天使ゼラ》《デビルマゼラ》ルートが追加されるかもしれませんね