0枚~15枚以下のカードで構成された、マッチ戦のデュエルでのみ使用が可能な入れ替え用のデッキです。
プレイヤーは、マッチ戦のインターバル(デュエルとデュエルの間)にサイドデッキを使用してデッキ・エクストラデッキのカード交換を行うことができます。
この時、交換前と交換後のデッキ、エクストラデッキの枚数が同じにならなければなりません。
サイドデッキにはレジェンドカードを複数種類投入することが可能です。
遊戯王ラッシュデュエル ギャラクシーカップ
ラッシュデュエル初の全国大会「ギャラクシーカップ」の開催にあたり、「サイドデッキ」というシステムが導入されます。
メインデッキとは別に構築するサイドデッキですが、初めて導入されるシステムであるため「どうやって組んだらいいの?」「組み方がわからない」と感じる人も多いと思います。
そこで今回は、サイドデッキの組み方について解説していきます。
「なんとなくこのカードを入れたらいいのかな?」
「みんなが入れてるから入れてみよう」
こんな風にサイドデッキを構築していませんか?
なんとなくで作るサイドデッキとは今日でおさらば
サイドデッキについての理解を深め、より精度の高いサイドデッキを構築しましょう。
今回の記事は20種ものカードゲームを経験し、サイドデッキ構築についても理解の深い青山瑞樹さんにお話を伺い作成しました。
青山瑞樹さんはこれまで経験してきた様々なカードゲームで大会優勝を経験しているプレイヤーでもあります。
もちろんそれはラッシュデュエルでも同様です。
他のカードゲームを経験しているからこその柔軟な考え方、貪欲に知識を得てきたからこその考え方が詰まっているので、かなり参考になりますよ!
理解を深めてサイドデッキ構築で差をつけちゃいましょう!
目次
サイドデッキを組む上での考え方
本題に入る前に、まずはサイドデッキに対する考え方を身につけましょう!
初めての方は必読!サイドデッキそのものについて深く理解することで、ブレのないサイドデッキ構築を行えるようになります。
「そんなのもう知ってる!」「早く組み方を教えて!」という人は飛ばしてください!
サイドデッキの重要性
ラッシュデュエルのマッチ戦は先に2勝したプレイヤーが勝利となるルールで最大3戦行われます。
インターバル(デュエルとデュエルの間)で、メインデッキ・エクストラデッキとサイドデッキのカードを交換(サイドチェンジ)できることから、3戦行った場合は、その内2回もサイドデッキを使用するタイミングがあるということです。
つまり、最大3回の対戦の中で、“2回も”勝ちやすくするためのカスタマイズを行えると言うこと。
1戦目に負けてしまっても、2戦目・3戦目で勝てれば勝利できるのがマッチ戦です。
入れ替えるカードによって、対戦への影響も大きいため、サイドデッキをいかにして活かすかが重要になってきます。
サイドデッキは41枚目以降のメインデッキ
メインデッキを用意し、それに対して15枚のサイドデッキを構築するわけですが、その上で、サイドデッキはメインデッキの延長線上にあるということを意識しなければいけません。
例えばデッキ内のモンスターのほとんどが最上級通常モンスターで構成されており、それらを墓地から展開しながら戦う【パラレルオーダー】デッキの場合です。
相手のデッキに対して墓地へのメタ効果が有効であるため、3枚のモンスターをデッキに戻すことができる《ことのはの妖精》を採用しました。
するとどうなるでしょうか。
相手の墓地のモンスターをデッキに戻すことができますが、自分の墓地のモンスターもデッキに戻す必要があるため、墓地のモンスターの展開が難しくなりメインデッキがいつも通り機能しにくくなってしまいます。
一方、《ささやきの妖精》であれば、効果の発動条件に手札コストが必要であることで、【パラレルオーダー】デッキの手札事故のリスクをケアしやすくなり、墓地にモンスターも溜めやすくなります。
《ささやきの妖精》の方が相手の墓地のモンスターをデッキに戻す枚数は1枚分少ないですが、【パラレルオーダー】デッキにどちらが適しているかは一目瞭然ですね。
このようにサイドデッキはメインデッキの延長線上にあるということを意識して構築することも重要です。
エクストラデッキを採用しない40枚のメインデッキを例にすると、インターバル後はメインデッキ+サイドデッキ、計55枚のデッキから40枚のデッキを構築し対戦するイメージです!
サイドデッキも含めて一つのデッキと思えばどう構築すればいいか感覚が掴みやすそうね
サイドデッキを使用することでデッキは弱くなる
メインデッキの延長線上として構築するサイドデッキですが、メインデッキへの採用を見送ったカードから採用するわけですから、サイドチェンジ後は当然メインデッキが弱くなります。
例えば、【サンダーボールド】デッキに採用されている《JAM:Pセット!》の場合、レベル8以下という広い範囲でのモンスター除去を行えるため、ほとんどのデッキに対して有効に使うことができます。
しかし相手がマキシマムモンスターを軸に戦うデッキの場合はどうでしょう。
マキシマムモンスターがレベル10であることから、ほとんどの場合、下級モンスターにしか発動できなくなってしまうため、有効には使いにくくなります。
そのため、他のデッキと戦う場合は明らかに強いにも関わらず、別のカードと入れ替えなければいけません。
このように本来であれば強く使えるカードをサイドチェンジするため、デッキとしては弱くなってしまうのです。
基本的にサイドチェンジによってメインデッキは強くならない!
メインデッキは最高の40枚で構築しましょう!
サイドデッキの組み方は3通り
- 有利不利を左右する組み方
- 先攻・後攻を意識した組み方
- コンセプトを変える組み方(スイッチ型)
基本的な組み方は、大会で対戦する可能性の高いデッキ(環境デッキ)を考慮して構築する「有利不利を左右する組み方」です。
その上で、サイドデッキの枠が余れば、次の対戦を先攻・後攻に合わせて有利に進められるよう構築する「先攻・後攻を意識した組み方」を取り入れます。
「コンセプトを変える組み方」、通称「スイッチ型」はサイドデッキ構築の中では少し特殊です。
デッキの内容がガラっと変わることで、相手に読まれにくくなるメリットがありますが、サイドデッキの枠を大量に使ってしまうため、スイッチ型用のカード以外を採用しにくくなります。
どうやって組むか悩むけど、どの組み方にも長所があるから自分のデッキに合ったサイドデッキを構築したいわね
サイドデッキの組み方
前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題です。
3つの組み方をそれぞれ解説するので、自分に合ったサイドデッキを構築を見つけましょう!
- 有利不利を左右する組み方
- 先攻・後攻を意識した組み方
- コンセプトを変える組み方(スイッチ型)
有利不利を左右する組み方
【サンダーボールド】デッキ
【パラレルオーダー】デッキ
【マキシマム】デッキ
「有利不利を左右する組み方」でまず行うのが、対戦する可能性の高いデッキの想定と、そのピックアップです。
想定するデッキは「大会での使用率の高いデッキ」いわゆる環境デッキと呼ばれるもので、その中の上位2〜3つをピックアップします。
この時、最新のカードが発売された直後であれば、それによって使用率が高くなるであろうデッキ・カードを予測するのも有効です!
勝つためには、このデッキの想定がかなり重要です!
予測の的中率もマッチ戦勝利の大きな鍵になるので、新弾発売後などは特に注意して行いましょう!
相手がどう言うデッキを使うのか、内容までちゃんと想定できればさらにいいわね!
次にピックアップしたデッキと自分のデッキを戦わせた時に、そのデッキに対してパワーが落ちるカード(効果的でないカード)をピックアップします。
例えば、自分のデッキが【ギャラクシー族】デッキで、ピックアップしたデッキが【マキシマム】デッキの場合です。
【ギャラクシー族】デッキには、相手の攻撃に対して発動できる《聖なるバリア-ミラーフォース-》が採用されていますが、罠カードに対する破壊耐性を持つマキシマムモンスターを軸にする【マキシマム】デッキに対しては、有効に発動できません。
このようにピックアップしたデッキに対して、「どのカードが効果的でないか」を考え、パワーが落ちるカードをピックアップしていきます。
例に挙げた【マキシマム】デッキに対する【ギャラクシー族】デッキでは、以下のカードをピックアップしました。
- 《オゾン・ソー》
- 《オゾン・ソー》
- 《オゾン・ソー》
- 《メテオ・チャージ》
- 《メテオ・チャージ》
- 《メテオ・チャージ》
- 《聖なるバリア-ミラーフォース-》
※今回はレベル7・通常モンスターと《潜入開始》を駆使しながらマキシマムモンスターを揃える【マキシマム】デッキを想定し、マキシマムモンスターに対して有効打にならない《聖なるバリア-ミラーフォース-》《メテオ・チャージ》、破壊効果を持つ罠カードが不採用であることから腐ってしまう《オゾン・ソー》をピックアップしました。
カードをピックアップできたら、次にピックアップしたカードに順位をつけます。
この時、付ける順位は有効度の低いカード順です。
例に挙げた【マキシマム】デッキに対する【ギャラクシー族】デッキの場合は以下のようになりました。
- 《聖なるバリア-ミラーフォース-》
- 《オゾン・ソー》
- 《オゾン・ソー》
- 《オゾン・ソー》
- 《メテオ・チャージ》
- 《メテオ・チャージ》
- 《メテオ・チャージ》
ピックアップするカードは種類ではなく枚数でカウントし順位付けするのよ!
順位付けが終わったら、次はピックアップしたデッキに対して強く使えるカードをピックアップします。
例に挙げた【マキシマム】デッキに対する【ギャラクシー族】デッキの場合は以下のようになりました。
- 《死者への手向け》←《聖なるバリア-ミラーフォース-》
- 《ささやきの妖精》←《オゾン・ソー》
- 《ささやきの妖精》←《オゾン・ソー》
- 《ささやきの妖精》←《オゾン・ソー》
- 《昂光の裁き》←《メテオ・チャージ》
- 《手札活殺》←《メテオ・チャージ》
- 《手札活殺》←《メテオ・チャージ》
※《新たに入れたいカード》←《パワーの落ちるカード》
※相手が《悪夢再び》により墓地からマキシマムモンスターを揃えてマキシマム召喚を行うことから、墓地メタとなる《ささやきの妖精》、マキシマムモンスターを直接除去できる《死者への手向け》《昂光の裁き》、サイドチェンジ後は《昂光の裁き》が3枚になることから《手札活殺》をピックアップしました。
下級モンスターを抜くなら下級モンスター
最上級モンスターを抜くなら最上級モンスター
魔法・罠カードを抜くなら魔法・罠カードをピックアップよ!
サイドデッキ構築初心者はこのバランスを必ず守りましょう!!
新たに入れたいカードをピックアップできたら、[STEP.1]でピックアップした残りのデッキにも[STEP.2]〜[STEP.4]を同様に行います。
想定するデッキやピックアップするカードの枚数によっては15枚を超えてしまうこともあるので、その中でも優先順位を付けて、15枚に抑えましょう!
これでサイドデッキの完成です。
[STEP.3]で順位付けしたのはこのためで、[STEP.4]でピックアップしたカードを全て採用できなかった場合でも、入れ替えるカードに迷いがなくなります!
[STEP.3]の例で言うと、[STEP.4]でピックアップしたカードを2枚しか採用できなかった場合でも、入れ替える時は《聖なるバリア-ミラーフォース-》と《オゾン・ソー》を入れ替えればいいってわかるわね
有利不利を左右するサイドデッキ構築の手順・ポイントをまとめると以下の通りです。
- 大会で対戦する可能性のあるデッキを2〜3個ピックアップ
- ピックアップしたデッキに対してパワーが落ちるカードをピックアップ
- ピックアップしたカードに対して優先度の低い順で順位を付ける
- ピックアップしたデッキに対して新たに入れたいカードをピックアップ
- [STEP.1]でピックアップしたデッキに対して[STEP.2]〜[STEP.4]を全て行い、15枚にまとめる
- [STEP.1]でピックアップするデッキはデッキ内容もある程度明確にする
- パワーの落ちるカードと、新たに入れたいカードは同数・同種類をピックアップ
- パワーの落ちるカードから考える
サイドチェンジは同じ種類のカードと入れ替えるのが鉄則!
サイドデッキ構築初心者は必ず守りましょう!
ピックアップしたデッキに対してパワーが落ちるカードを先にピックアップするのがポイント!
入れるカードからピックアップしちゃうと、デッキを弱くしたりデッキバランスを崩すことにつながるから注意してね!
サイドデッキ構築の具体例【有利不利を左右する組み方】
今回はギャラクシーカップを想定して【ギャラクシー族】デッキで、実際にサイドデッキ構築をしていきます。
メインデッキ(40枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
モンスター | 16 |
《ギャラクティカ・オブリビオン》 | 3 |
《ミルキーウェーブ・ネオ》 | 3 |
《コスモ・タイタン》 | 3 |
《最強戦旗タフストライカー》 | 3 |
《オゾン・ソー》 | 3 |
《トランザム・ライナック》 | 3 |
魔法カード | 22 |
---|---|
《潜入開始》 | 3 |
《パラレルバース・ゲート》 | 3 |
《魔法石の採掘》 | 3 |
《七宝船》 | 3 |
《天の加護》 | 3 |
《メテオ・チャージ》 | 3 |
《古のルール》 | 2 |
《昂光の裁き》 | 2 |
罠カード | 2 |
---|---|
《聖なるバリア-ミラーフォース-》(LEGEND) | 1 |
《燃尾之急》 | 1 |
例に挙げたデッキと同じく、以下の3つのデッキをピックアップ。
- 【サンダーボールド】
- 【パラレルオーダー】
- 【マキシマム】
ギャラクシーカップは参加者が多いことから普段の店舗大会では使用率の低いデッキとも対戦する可能性があり、【マキシマム】デッキに至っては対策なしでは勝つことが難しいため、あえてピックアップしました。
次に、ピックアップしたデッキに対して[STEP.2]〜[STEP.4]を行い、それぞれパワーの落ちるカード、新たに入れたいカードをピックアップします。
- 《聖なるバリア-ミラーフォース-》→《天使の施し》
- 《燃尾之急》→《手札活殺》
- 《メテオ・チャージ》→《燃尾之急》
- 《メテオ・チャージ》→《ギャラクティカ・フォース》
- 《メテオ・チャージ》→《ギャラクティカ・フォース》
- 《聖なるバリア-ミラーフォース-》→《死者への手向け》
- 《オゾン・ソー》→《ささやきの妖精》
- 《オゾン・ソー》→《ささやきの妖精》
- 《オゾン・ソー》→《ささやきの妖精》
- 《メテオ・チャージ》→《手札活殺》
- 《メテオ・チャージ》→《手札活殺》
- 《メテオ・チャージ》→《昂光の裁き》
※《パワーの落ちるカード》→《新たに入れたいカード》
【サンダーボールド】デッキに対しては元々有利であるため、罠カードを削る分、さらに早く決着させやすいようにデッキを回転させやすいカードをピックアップ。
【パラレルオーダー】デッキに対しては、相手モンスターの攻撃力・守備力の高さから貫通ダメージの有効度が少し低いと考え、《メテオ・チャージ》を削り、その分、相手がレベル7・通常モンスターを中心に展開することを考慮して、返しのターンでダメージを与えやすいようカードをピックアップ。
《ギャラクティカ・フォース》は今回使う【ギャラクシー族】デッキとは少し相性が悪いのですが、フィールドに6体のモンスターがいる状況でも、全て通常モンスターであれば相手のライフポイントを半分以上削れるためピックアップしました。
【マキシマム】デッキに対しては、相手が罠カードを採用していないことを想定し、罠カードに関連するカードとマキシマムモンスターに対して有効でないカードを削り、マキシマムモンスターに対するメタカードをピックアップしました。
ちなみにサイドデッキの枠が4枠余っていますが、同じように枠が余る場合は、【エクスオーダー】デッキなど、他の環境デッキをピックアップしてカードを選出するのも有効です。
今回は有利に戦える【サンダーボールド】デッキに対してもカードを選出していますが、有利に戦えるデッキに対して無理にカードを選出する必要はありません
サイドデッキの15枠しかないから、妥協できる部分は妥協して有効に枠を使いたいわね
先攻・後攻を意識した組み方
ラッシュデュエルには先攻・後攻によって有効かが変わるカードが存在します。
「先攻・後攻を意識した組み方」では、これを意識してサイドデッキを構築します。
例を挙げると以下ようなカードです。
- 《聖塔の危機》
- 《永久凍結》
- 《聖なるバリア-ミラーフォース-》など
先攻時に有効なカードの多くは罠カードで、召喚反応系・攻撃反応系のカードなど、相手の行動を発動条件にするカードが大半です。
先攻1ターン目でこれらを引いていれば、安全にモンスターを展開した後、相手ターンではセットした罠カードで相手の行動を妨害できるようになるため、デュエルを有利に進めやすくなります。
一方、これらのカードは後攻1ターン目に引いても、引いたターンは相手フィールドを干渉することができないため、セットするだけのカードになってしまいます。
このように先攻時に有効なカードとは、自分のターンで発動の準備をし、相手ターンの妨害を行えるカードということです。
- 《サテライト・ペガサス》
- 《昂光の裁き》
- 《ゴースト・サイクロン》など
後攻時に有利なカードは、相手フィールドにカードが存在していることで有効に使えるカードのことです。
中でも例に挙げたカードは後攻1ターン目で特に有効に使いやすく、後攻による不利を覆すほどのパワーを持っています。
- 《サテライト・ペガサス》:自分の墓地のモンスターが1体以下の場合に相手モンスターを破壊
- 《昂光の裁き》:相手の手札が0枚の場合に相手モンスター1体を手札に戻す
- 《ゴースト・サイクロン》:自分フィールドにモンスターがいない場合に相手の魔法・罠カード1枚を破壊し、自分の墓地のモンスターが3体以下の場合に1枚ドロー
このように少し厳しい発動条件・効果の適用条件を持つものの、後攻1ターン目から相手フィールドに干渉しつつデュエルを進めることができます。
一方、これらのカードは先攻1ターン目で引いた場合は有効に使いにくく、後攻でスタートした場合でも後攻1ターン目以降は効果を有効活用しにくいカードになってしまいます。
発動条件・効果の適用条件を満たす難易度に比例して腐りやすくなるため、先攻時に有効なカードに比べてサイドチェンジの難易度が高いのが欠点です。
「先攻時に有利なカード」「後攻時に有利なカード」共に、デッキコンセプトに沿うように選出することで腐りにくくなります!
無理して採用せず有効に使えるカードの中から採用しましょう!
次の対戦の先攻・後攻の見極め方
マッチ戦では次の対戦を行う場合、直前に負けたプレイヤーが先攻・後攻を選択します。
先攻・後攻の選択はインターバルの後、対戦の準備段階でデッキをシャッフルした後に行われるので、直前の対戦で勝った場合は、あらかじめ先攻・後攻がわかった状態でサイドチェンジを行うことができません。
「じゃあ先攻・後攻を意識したサイドデッキなんて組めないんじゃないの?」
そう思う人もいると思います。
ですが、現状のラッシュデュエルは先攻が有利なカードゲームです。
そのため先攻・後攻の選択権がある場合、大半のプレイヤーが先攻を選択するんですよね。
つまり直前の対戦で勝った場合は、次の対戦では後攻になる確率が極めて高いということです。
じゃあ勝った場合は後攻を意識したサイドチェンジをすれば問題ないってことね!
そうです!
ちなみに直前の対戦で自分が負けた場合は、自分が先攻・後攻を選択できるので、予測する必要はありませんね!
サイドチェンジの難易度が高い
先攻・後攻を意識して採用したカードは、対戦するデッキを想定して採用したカードではありません。
「どのカードとサイドチェンジをするか」という点で、「有利不利を左右する組み方」で構築したサイドデッキのカードに比べて、サイドチェンジの難易度が高くなっています。
「有利不利を左右する組み方」では相手のデッキを想定して、あらかじめどう入れ替えるか決めていたけど、「先攻・後攻を意識した組み方」は想定した相手を意識して組んだわけじゃないものね
対戦の中で相手のデッキに対して自分のデッキのパワーが落ちるカードを見極めるのがベストですが、それは難しいと感じる人もいると思います。
そういった場合、展開系デッキにはこのカードのパワーが落ちる、マキシマムデッキにはこのカードがパワーが落ちるなど、大きな括りでデッキタイプを分類し、それに対してパワーの落ちるカードをメインデッキからあらかじめピックアップしておいてもいいですね。
何度も言いますが、サイドチェンジは同じ種類のカードと入れ替えるのが鉄則です。
上級者であれば、種類の異なるカードとのサイドチェンジでも上手くデッキを回すことができますが、サイドデッキ構築初心者の場合は、このルールを必ず守りましょう。
鉄則ルールを守ることでサイドチェンジの難易度を少しでも引き下げましょう!
先攻・後攻を意識したサイドデッキ構築のポイントをまとめると以下の通りです。
- サイドチェンジを想定して入れ替えるカードは同種類をピックアップ
- 苦手なデッキタイプに対してパワーが落ちるカードをメインデッキからあらかじめピックアップしておき、スムーズに入れ替えられるよう想定しておくと、適切なサイドチェンジを行いやすくなる
- 「有利不利を左右する組み方」でサイドデッキを構築した後、残りの枠を使って構築するのがベター
サイドデッキ構築の具体例【先攻・後攻を意識した組み方】
有利不利を左右する組み方で枠が余っていたので、今回はその残りの枠を使って先攻・後攻を意識したサイドデッキ構築をしていきます。
- 《ハンマークラッシュ》
- 《ハンマークラッシュ》
- 《ゴースト・サイクロン》
- 《ゴースト・サイクロン》
メインデッキのモンスターのサイドチェンジが難しいデッキであり、元々採用している罠カードが先攻向けのカードであるため、今回は後攻を意識した魔法・罠カードをピックアップしました。
メインデッキに採用されているカードの中で、先攻向き・後攻向きのカードがすでに存在している場合は、それを考慮してカードを選出すると、先攻・後攻共に戦いやすくなります
コンセプトを変える組み方(スイッチ型)
コンセプトを変える組み方は、サイドチェンジをすることで全く異なるコンセプトのデッキに組み替える構築方法です。
わかりやすい例で言うと以下のようなサイドチェンジができます。
サイドチェンジ前 | サイドチェンジ後 |
---|---|
フュージョン召喚軸の【サイキック族】デッキ | フュージョン召喚を行わない【サイキック族】デッキ |
《超魔輝獣マグナム・オーバーロード》と《超魔機神マグナム・オーバーロード》を軸にした【マキシマム】デッキ | 守備力0の闇属性モンスターを軸にした【闇属性】デッキ |
【機械族】デッキ (先攻向きのデッキ) | 罠カードを軸にした【機械族】デッキ (後攻向きのデッキ) |
どちらもベースとなるカードは同じですが、コンセプトは別のものに変わっていますね。
このようにインターバルごとにコンセプトをスイッチさせながら戦うことができるのが、コンセプトを変える組み方によるサイドデッキ構築です。
また1戦目後のサイドチェンジで、相手はスイッチ前の構築に合わせてサイドチェンジを行ってくるため、相手のサイドチェンジが裏目に出る可能性があることも強みになっています。
しかしこの組み方は、サイドデッキの枠を大量に圧迫してしまいます。
そのため「有利不利を左右する組み方」「先攻・後攻を意識した組み方」と同時に組み込みにくく、相手に合わせたサイドチェンジを行いにくいのが欠点です。
3戦目以降はスイッチされることも考慮されちゃうから、意外と玄人向けのサイドデッキ構築なのかもしれないわね
レジェンドカードを入れ替えることも有効
メインデッキ・エクストラデッキ合わせて1枚しか採用できないレジェンドカードですが、メインデッキのレジェンドカードの有無に関わらず、サイドデッキにも採用することができます。
読み合いにおいて重要な要素でもあるため、レジェンドカードを別のレジェンドカードとサイドチェンジするのも一つの戦術です。
メインデッキには《強欲な壺》を採用して、相手の罠カードに対する警戒心を削いだところで2戦目は《聖なるバリア-ミラーフォース-》を採用するなんてのも有効ですね!
コンセプトを変える(スイッチ型)サイドデッキ構築のポイントをまとめると以下の通りです。
- コンセプトが変わることも意識して構築する
- レジェンドカードをスイッチさせることも有効
- 先攻・後攻を意識したスイッチも有効(中級者向け)
サイドデッキ構築の具体例【コンセプトを変える組み方(スイッチ型)】
スイッチ型のサイド構築はメインデッキをベースに、別のデッキになるよう15枚を選出します。
今回はフュージョン軸の【サイキック族】デッキで構築しました。
メインデッキ(40枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
モンスター | 32 |
《彩光のプリマギターナ》 | 3 |
《ハンディーレディ》 | 3 |
《サイピックアッパー》 | 3 |
《ロマンス・ピック》 | 3 |
《リズミカル・パフォーマー》 | 3 |
《AIくまキャン》 | 3 |
《アメイジング・ディーラー》 | 3 |
《CAN:D》 | 3 |
《アマ・リリス》 | 3 |
魔法カード | 13 |
---|---|
《フュージョン》 | 3 |
《スター・リスタート》 | 3 |
《七宝船》 | 3 |
《潜入開始》 | 3 |
《天使の施し》(LEGEND) | 1 |
エクストラデッキ(12枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
《彩光超オメガギターナ》 | 3 |
《彩光超プリンセスオメガ》 | 3 |
《CAN:D LIVE》 | 3 |
《CAN:D ALL》 | 3 |
サイドデッキ(15枚)
カード名 | 枚数 |
---|---|
モンスター | 8 |
《ギャラクティカ・オブリビオン》 | 1 |
《CAN-Sp:D》 | 2 |
《CAN-Re:D》 | 2 |
《未来占者》 | 3 |
魔法カード | 2 |
---|---|
《JAM:Pセット!》 | 2 |
罠カード | 5 |
---|---|
《未来との邂逅》 | 2 |
《燃尾之急》 | 2 |
《聖なるバリア-ミラーフォース-》(LEGEND) | 1 |
インターバルでは以下のようにサイドチェンジしていきます。
- 《彩光のプリマギターナ》→《ギャラクティカ・オブリビオン》
- 《彩光のプリマギターナ》→《CAN-Sp:D》
- 《彩光のプリマギターナ》→《CAN-Sp:D》
- 《サイピックアッパー》→《CAN-Re:D》
- 《サイピックアッパー》→《CAN-Re:D》
- 《サイピックアッパー》→《未来占者》
- 《アマ・リリス》→《未来占者》
- 《アマ・リリス》→《未来占者》
- 《フュージョン》→《JAM:Pセット!》
- 《フュージョン》→《JAM:Pセット!》
- 《フュージョン》→《未来との邂逅》
- 《スター・リスタート》→《未来との邂逅》
- 《スター・リスタート》→《燃尾之急》
- 《スター・リスタート》→《燃尾之急》
- 《天使の施し》→《聖なるバリア-ミラーフォース-》
※《抜いたカード》→《新たに入れたカード》
フュージョン軸であったデッキから一転、魔法・罠カードで相手モンスターを除去しながら戦う罠型寄りの【サイキック族】デッキにスイッチしましたね。
「有利不利を左右する組み方」のように、柔軟なサイドチェンジはできませんが、コンセプトをガラッとスイッチさせることで、不意をついたサイドチェンジができるようになります。
今回のパターンだと、フュージョン軸で相手の罠カードに対する警戒心を削いだ状態で、罠カードをぶつけることができるわね!
まとめ
今回はサイドデッキの組み方について解説しました。
まとめると以下の通りです。
- マッチ戦においてサイドデッキはかなり重要
- サイドデッキはメインデッキの延長線上にあることを意識して構築
- サイドチェンジによってメインデッキは弱くなる(メインデッキは最高の40枚で構築)
- サイドチェンジは同じ種類のカードと入れ替えるのが鉄則
- 有利不利を左右する組み方
- 先攻・後攻を意識した組み方
- コンセプトを変える組み方(スイッチ型)
青山瑞樹さんの所感として、無理矢理サイドデッキを詰め込んで大量に入れ替えるよりは、使う数枚だけを入れ替えるほうが機能するように感じたそうです。
無理に入れ替えることで、必要以上にデッキが弱くなってしまうこともあるので、その点は注意しましょう!
慣れの部分も多いので、理解を深めつつ自分のデッキにあったサイドデッキを構築しましょう!